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社さん&奏江の受難日?

とある日のラブミー部室。
キョーコと奏江は必死の形相で広報部に依頼されたシール貼りを行っていた。

『オススメ!早い者勝ち!』

来週イベントで配る予定だという、山のような宣材品にひたすらそのシールを貼り続ける作業は精神的にもけっこうしんどい。

「あーーーもうっ!なんで私たちがこんな作業しなきゃいけないのよっ。私は女優になりたくてここにいるっていうのに!こんな密室で延々とシール貼りするなんて、あり得ないわっ!」
バシッと机を叩き、叫ぶ奏江。

「そう?私、案外こういう作業嫌いじゃないかも。つい集中しちゃった!それになによりモー子さんといっしょに作業できるなんて、すっごくしあわせ~♪」
小首をかしげ、うれしそうに答えるキョーコ。

「まったく、あんたときたら・・・」
はあーっと奏江が大きくため息をついたそのとき、コンコンッとドアがノックされた。


「やあ、最上さん。琴南さん。何してるの?」
現れたのは、これでもかというほどの煌びやかな笑顔を撒き散らすLMEの看板俳優“敦賀蓮”その人と、眼鏡姿も麗しき彼のマネージャー。

「敦賀さん、社さん、どうもお久しぶりです。」

(また来たのね・・・。キョーコがいるといつもコレだわ。)

優雅にお辞儀をしながら、声にはもちろん顔にも出ないよう奏江は心の中で呟いた。

「あっ!敦賀さん!社さん!今日はどうされたんですか!?」
ぱっと花が咲くような微笑みを見せ、キョーコが二人に話しかける。

「次の仕事に行くまで、1時間ぐらい時間があってね、ここでちょっと時間を潰させてもらってもいいかな?」
キョーコの笑顔に蓮はこの上なく美しい笑みを返した。

「もちろんですっ。どうぞ。」
返事を聞くや否や、蓮はさっとキョーコから見て90度の位置 ~正面に座るより、肩を寄せ合い、ささやくことがで、並んで座るよりも相手の顔をさりげなく見つめることができる親密度UPのために必須といわれる位置~ に腰掛けた。

「へえ・・・シールの貼り付けをしてるの?」
そうしてキョーコの手元にすっと手を伸ばす。
それも肩がふれるかふれないかの微妙な位置をキープして。

「そうなんです。今日中にってことで広報の方から依頼されて。これが意外と大変なんですよ。」
無邪気な顔で答えるキョーコをじっと見つめながら、蓮はその1枚をすっと手に取った。
そしてなにか楽しいことを思いついた子どものような笑みを見せたかと思うと、そのシールを自分の胸に貼りつけた。


「ねえ、最上さん。どうかな?」
キョーコに向かい、胸を張ってみせる。

「は?」
「ほら、“オススメ!早いモノ勝ち!”」
「ふふっ。なんだかおかしいですよ。まるで敦賀さんがセール品かなにかになったみたい。」
「そうかな?あのね・・・コレ、いま最上さんに絶賛オススメ中!」
そういって自らを指さす。
その言葉に、キョーコは目を大きくまん丸に見開いて蓮を凝視した。

「えっと・・・?それは敦賀さんが敦賀さんをオススメ中っておっしゃってます?」
「そう!」
「私に向かって?」
「そう!」
「はい????」

よく意味が分からないといった顔つきで、きょとんとしたままのキョーコ。
そんなキョーコをにこにこ見つめる蓮の瞳がキラリと光る。

“絶対受け取ってね。返品はなしだよ”

そんな気持ちをおし隠して。
もっとも残念なことに、キョーコはそんな想いにはまったく気付いていない。


蓮の行動に、少し頭を捻っていたキョーコだったが、突然“ピコーン!閃いた!”といった表情を見せると、クスクス笑い出した。

「いやだ、敦賀さんって案外冗談好きなんですね。敦賀さんに、こんなセール品につくようなキャッチコピー、ぜんぜん似合いませんもん。想像しただけで笑っちゃう。それにもし、早い者勝ちなんて書いてあったら、大争奪戦が起きて死人がでちゃいますよ!」

ひと山いくらみたいな敦賀さんなんて、ありえません!と力説する。
その可愛らしい笑顔を、仕方ないなあという表情でそれはそれはやさしく見つめながら蓮が答えた。

「そっか。じゃあ・・・早い者勝ちじゃなく最上さん限定品ってことでどうかな?」
「ふふふ。またそんなこと言って今度は私で遊ぼうと思ってますね?でも今日は騙されませんよっ。」

相変わらず華麗なスルーぶりを見せるキョーコなのだった。



さて、そんな2人のやりとりを、同じ部屋の中でげっそりとした顔で見つめる男女が二人。
複雑な思いを抱えながら目と目で会話する。

(社さん、敦賀さんはいったいなにをほざいてやがるんですか。)
(ごめん。琴南さん。見ないフリ聞こえないフリをしてやってくれないか。)

(毎日毎日、あまりにもキョーコに天然スルーされすぎて、イカレちゃったんじゃないですかね?)
(・・・かもしれない。ほんとごめん。)

(いえ。社さんに謝られても・・・。まあこのあからさまなアプローチにまったく気付かず、完全スルーを決め込むキョーコもすごいですけどね。それにしても、この二人私たちの存在をすっかり忘れていやしませんか?)
(たしかに・・・見えて・・・ない・・・かも・・・。)

(あーーもぅーーーっ!なんだか口の中が思いっきりざらざらしてきたわっ!!それにすっごくあま~い!!!)
(お、俺もだよ。琴南さん・・・。)

(社さんもLMEで一番の敏腕マネージャーって言われてるんですから、その名に恥じないよう担当俳優さんをちゃんと教育していただきたいですねっ!)
(ごめん・・・ほんとにごめん・・・。)


「社さん。よかったらちょっとお茶でも飲みに行きません?」
「そうだね。琴南さん。俺もちょうど喉乾いてたとこ。」
いい加減我慢の限界といった体で立ち上がった奏江に、慌ててキョーコが声をかける。

「えー!!モー子さんが行くなら私も行く!」
「あんたは、そこにまだ残ってるお茶あるでしょ。悪いけど、私ちょっと目が疲れてきちゃったの。あとちょっと残ってる分、お願いできる?」
「で、でもぉ~~~。」

それでも追いかけようとするキョーコを、必殺キョーコ殺し親友スマイルと「ね。お願い。親友でしょ。」の一言で瞬殺した奏江は、するりと出口へ向かった。

そこへすかさず蓮のフォローが入る。
「あ、最上さん。それなら俺が琴南さんの代わりに手伝ってあげるよ。」

それからくるりと社をふりかえり、蓮はにっこり微笑んだ。

「社さんも、琴南さんといっしょにゆっくり水分補給してきてくださいね。この後も忙しいんですから。」「ありがとう、蓮。それじゃお言葉に甘えてちょっとゆっくりさせてもらうよ。じゃあ、琴南さん行こうか。あ、キョーコちゃん。悪いけど蓮をよろしくね。」

晴れやかな笑顔で部屋を出て行く社と奏江。
残された蓮もそれはそれは満面の笑みでキョーコをみつめており・・・。

一方、「敦賀さん、こういう細かい作業もお好きなのね。なんだかとっても楽しそう。意外だわ!」
先輩俳優の新しい一面をまた発見できたような気がして、こちらもやっぱり嬉しそうに微笑むキョーコなのであった。





fin

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