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※『蓮キョ☆メロキュン推進!ラブコラボ研究所』参加作品です。


「あ!今日も来てる。」

郵便受けに入れられた1枚の絵葉書。
蓮さんだ。

付き合い始めて3ヶ月。
新しい映画の撮影のため、蓮さんに1ヶ月に渡る長期ロケの予定が入った。
短いようで長い1ヶ月。
付き合ってからこんなに長く離れるのは初めて。
お互い離れがたくて、電話かメールはできるだけ毎日やりとりしようと決めた。

でも、それとは別にときどき届く絵葉書。

最初に受け取ったときは誰だろう?って思った。
差出人の欄が空白だったから。
でも裏を返すと、曇り空の景色の片隅に小さく『もうさみしいよ』と書いてあって、誰からのものかすぐに分かった。
「蓮さん・・・。」
その文字に、涙がこみあげてきてしまう。
「私だって、さみしいです。」
誰もいない玄関で、葉書を抱きしめて泣いてしまった。
その気持ちを伝えたくて、でもうまく言葉にできなくて、結局電話でもメールでも葉書のことは一言も言えずにいた。

次に届いたのはきれいな夜景の絵葉書。
『1人だと世界が暗い』
小さくそう書いてあった。
葉書を手に、ベランダから外をみる。
細く輝く月とチラチラと光る星たち。
同じ月と星を、今きっと敦賀さんもみている。そう思った。
どんなに遠く離れていても、私と蓮さんは同じ光に包まれている。
そう思うと、寂しい気持ちも少し紛れるような気がした。
「私が今見ている、同じ月の光が今あなたに降り注いでいます。」
だからさみしがらないで、そう気持ちを込めてメールした。

その次の葉書は、雨に濡れた街角。
傘を差した1人の男が俯き気味に背を向けて立っている。
『会いたくて泣きそうだ』
男の足元にそう書いてあった。
“蓮さん、私は会いたくて会いたくて最初の葉書でもう泣いちゃいました”
その夜かかってきた電話の向こうの声に愛しさが募り、また涙した。

そして今日届いた葉書。
それは大空にかかる大きな虹の写真だった。
『もうすぐ会える』
踊るようなその文字に思わず顔がほころんでしまう。
そう、予定では明日の朝には蓮さんが帰ってくる。
きっともうすぐ・・・会える。



そのとき今閉めたはずのドアがかちゃりと音をたてた。
ふりかえればそこに立っていたのは、私の大好きな人。

「蓮さん・・・。」
今日会えると思っていなかったから、言葉が出ない。
「部屋に入る姿が見えたから。・・・はい、これ郵便です。」
茶目っ気たっぷりな笑顔とともに1枚の絵葉書が手渡された。

一面の青空だ。

そう思った瞬間、ばさりと荷物が落ちる音がして、私はふわりと抱きしめられた。
大好きな蓮さんの香りと温もりに全身が包まれる。
「会いたくて、会いたくて、急いで仕事を終わらせてきたよ。 ただいま。」
頭の上から響くやさしい声に、気がついたら涙が止まらなくなっていた。
そんな私を強く、強く抱きしめてくれる彼。

会いたかったのは、私です。
抱きしめてほしかったのは、私です。

言葉にならない想いをなんとか伝えたくて。
その胸にギュッと顔を押し付けた。



ハラリ。
届けられた絵葉書が二人の足元に落ちていく。
そこに書かれていた言葉は・・・・・・二人だけの秘密。





fin

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