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似非紳士vs手練れ男 (3)

怖くて振り向けない。
でも振り向かないわけにいかない。


恐る恐る振り返ったキョーコの目に映ったのは、予想通りの人物だった。
しかも・・・

「やあ、最上さんに貴島君。こんなところで・・・デート?」
キュラキュラと似非紳士笑顔が炸裂している。


(うわっ敦賀さん、怒ってる・・・。ものすご~く怒ってる・・・。ど、ど、どうしよう。)


「ハヘ(あれ)?フルハフンヒャナヒハ(つるがくんじゃないか)」
あんみつを口いっぱいにほおばったまま、しれっと返す貴島。

そのままごくんと飲み込み、言葉を続ける。

「へえ~、敦賀君もここ知ってたんだー。甘いものなんてぜ~んぜん興味ありませんって顔してるのに~。」


たしかに蓮は甘味になどまったく興味がない。
ただ、店の外に見覚えのある自転車が置いてあるのをみつけ、「もしかしたら」と入ってきただけだ。
(まさか、本当に彼女がいるなんて・・・しかも貴島とツーショットで!!!)

満面の笑顔で貴島と向かい合い、あんみつを頬張るキョーコの姿を見て、蓮は打ちのめされていた。


どうして・・・俺じゃないんだ・・・。

俺だって、こんな幸せいっぱいの笑顔めったに見せてもらえないのに・・・。

それをなんでよりによって貴島なんかに見せて・・・。


怒りで身体が震えそうになるが、ぐっとこらえる。
そんな蓮の心の内に気づいているのか、いないのか、貴島は飄々とした態度を崩さない。


「甘味に興味のない人がわざわざこんなとこにくるなんてあやしいなあ。敦賀君こそ誰かと密会?・・・あ、もしかして、俺たちお邪魔しちゃったのかな。ね?京子ちゃん?」

コチンコチンに固まっているキョーコに貴島が笑顔で同意を求める。


それをさえぎるように蓮はメリケンポーズで両手を挙げた。

「まさか、君じゃあるまいし。ちょっとスタッフに差し入れでもって思って来ただけだよ。」

そう言うと蓮は、これ以上貴島を相手にしても仕方ないとでもいうように、キョーコに向き直った。

「で、最上さん。今日はどうしてここに?」


ヒイイイイイ!!ついに矛先がこちらに!!!

「エ、エ、エット、コレハ単ナル偶然デシテ。ナントイウカ、ソノ、人助ケノヨウナモノデシテ・・・」
不穏な空気を敏感に察知し、おびえるキョーコ。


「人助け・・・?」
こくんと首をかしげる蓮。

(そ、そんなかわいいしぐさをしてみせても、魔王オーラは消せてませんからぁーーー!!!)


「ああ、敦賀君。京子ちゃんとはたまたま外で会ったんだ。それでね、ここのあんみつを食べたかった俺が無理やりお願いしていっしょにお店に入ってもらったんだよ。」
だよね?と大人な対応でフォローを入れる貴島に、キョーコがあからさまにほっとした顔をする。
それも蓮には気に入らない。


「ふうん・・・そう。なら仕方ないけど。あ、早く食べないと溶けちゃうよ。その抹茶アイス。」


ヒエエエエエ!!!目が、目が笑ってませーん。敦賀さーーーん!


何だか“さっさと食べて店を出ろ”と命令されたような気持ちになり、キョーコは慌ててアイスをすくった。
・・・が、手がカクカク震えて上手く口に運べない。


「ソ、ソンナコトヨリ、オ2人コソ、ドウシテ揃ッテコンナトコロニ?」

「ああ。驚いたよね?こんなところで2人同時に会うなんて。じつは今日この近くでしてる撮影、貴島君と共演するCMなんだ。」


ええええええ!!!!!
そ、そんなぁ~。敦賀さんが近くにいらっしゃるってわかってたら、ここここんなこと、ぜぇ~ったいしなかったのにー!!!!

後悔してももう遅い。


「どうしたの?ずいぶんあせってるようだけど。」


(この似非紳士ぃ~~~!!)


貴島のことはきれいさっぱり無視し、固まってぷるぷるしているキョーコだけを見て話しかける蓮。

そして・・・。


「ところで最上さん。それ、ずいぶん美味しそうだね。ひと口もらえるかな?」

そう言ったかと思うと、蓮はスプーンをもったキョーコの手をしっかり握り、溶けかけた抹茶アイスをそのまま口に運んだ。



(つ、つ、つ、つるがさーん!て、て、て、て、手がぁーーーー!!!)





(続く)

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