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明日の朝


成立後・同棲中設定です。
もっとキレイで甘いお話にしたかったのに、なんだか思いっきり微妙な話になっちゃいました。ごめんなさい。



俺たちだって、たまには喧嘩をしたりする。
まあその原因は、たいていソッチ方面のコトと決まっていて。
ほぼ九割がた、俺が彼女が言うところの”無体なこと”をした結果で。
さらにいうなら、一方的に俺が怒られていることがほとんどだ。

「こ、こ、こんなところに痕をつけないでください!」

―――だって、今キョーコと共演しているアイツ。
     ぜったい君を狙ってるから。ちょっとしたけん制だよ。

「せっかくの二人揃ってのお休みなのに、身体が痛くて起き上がるのもツラいなんて……。」

―――だって、久しぶりにゆっくりできるとわかってて我慢できるわけがないだろう?
     たしかに朝まで寝かせずはやりすぎだったかもしれないけれど。


俺としては、この溢れんばかりの想いをほんの少し表に出しただけのことなのだけど、なかなか君はわかってくれず。
哀しいというか、淋しいというか、もの足りないというか………まあ、そんなやりとりがあった夜は当然のように君は冷たい。

そっと様子を窺う俺のことなんて見向きもせず、ベッドの端にもぐりこんで。
俺に背を向けたまま掛布にくるまり、ぷいと一人で寝てしまう。
それでも一緒のベッドに寝てくれるところが君のやさしさだなって、そんなところに愛を感じてしまう俺だけど。
だからって調子に乗って下手なことをすると、意地っ張りな君にはやぶへびになりかねないって。
何度かミスを繰り返して俺もようやく学んだ。

本気でへそを曲げられたら、それこそ大変なことになる。
しばらく口をきいてくれないのは当たり前。
最悪なのは、家を飛び出して琴南さんのところに行ってしまうこと。
初めて家出されたときは、本当にもう狼狽えるどころか、頭が真っ白になってパニックになって我ながらひどいありさまだった。

喧嘩をしても律儀な君は、寝室のサイドテーブルにちゃんと『しばらくモー子さんのところに行きます』ってメモを置いてくれていたというのに、それにはちっとも気づかず、「家に帰ってもいるはずの君がどこにもいない、いくら待っても帰ってこない」って、すっかり取り乱して深夜に社さんのところへ電話をかけたものだから、そりゃもう………あとで散々おもちゃにされたっけ。


だからこんな夜、俺は息を潜めてじっと待つ。
じっと、じっと、ひたすら待ち続ける。


え?何を待っているのかって?

それは君が熟睡してしまうこと。
待って。
待って。
やがてすやすやと規則正しい寝息が聞こえ、君がようやく熟睡したと確信できたら……。

冬はほんの少し、毛布に隙間を作って。
夏はほんの少し、部屋の冷房を強めて。

君が風邪を引かないぎりぎりの”寒さ”調整を試みるんだ。
すると………。

すんと鼻を鳴らすのを合図に、寒がりな君は無意識に俺の身体にすり寄ってくる。
最初はどこかにある温もりを追いかけるように、寝返りを打ちながらそろそろと近づいてきて。
やがて俺の身体をみつけると、しがみつくように巻き付いて。
俺の体温で暖をとろうとする。

そこまでされるのを待って。
待って。
待って。
俺は君の身体を抱き寄せる。
巻き付いた君の腕に俺の腕が上から重なるこのカタチ。

――――君が先に俺に抱きついてきたんだよ。だってほら、みてごらん?

そんな風に言い訳できるように、なんてちょっと姑息すぎるかな?


そうして君の温もりを全身で受け止めて。
その身体をしっかりと抱きしめて。
触れる額にそっとキスを落として。
もちろん唇にもキスをして。
それからゆっくり少し冷えた頬に頬を寄せる。

すると必ず君はくふんと小さく息を吐いて、それはそれは幸せそうに頬を緩めるんだ。
熟睡しているくせに、ね。

その顔に安堵して。
俺はようやく安らかな眠りにつける。

というか。
そうしないと、俺はいつまでも眠れない。
君の温もりをこの腕に抱き締めないと、安らかな眠りがちっとも訪れてくれないんだ。

こんな状態で長期の撮影でも入ったら、いったいどうなっちゃうんだろうと。
俺だけじゃなく、社さんも心配している。

もしそんなことになったら、
合間を縫って君のもとに飛んで帰るか。
何か理由をつけて君を俺の元に呼び寄せるか。
いずれにせよオオゴトだ。
でもそんなコトを本気で考えてしまうほど………、
俺はもう君を離せない。片時だって離したくない。


だから――――、
もうそろそろいいだろう?

飛んで帰るにしても。
呼び寄せるにしても。

君を説得しやすくなる理由。
君が断りにくくなる理由を作っても。




さあ、もうすぐ朝だ。
やわらかな日差しを受けて君が身動ぎを始めたら、俺はこの愛しいお姫様にそっとキスを授けよう。
お姫様を起こすにはキスって、それが世の道理だからね。

できるだけやさしく、何よりも愛してるという気持ちをこめて、キスを贈るよ。
もちろん「おはよう、キョーコ。昨日は本当にごめん。」って謝るのも忘れない。

そうして額をつきあわせて、ゆるやかに開くその大きな瞳を覗き込んで。
俺は君の視界一杯に、君が弱いっていう表情を浮かべてみせるんだ。
“捨てられた仔犬のような眼差し”だっけ?
君が絶対に否を言えない、あの表情。

そうして俺は君に告げる。

………おっと、その前に。

まず、君の薬指にキスしよう。
さっきこっそりはめた、キラキラと輝く石が光るこの指に。

驚かないで。
逃げ出さないで。
ちゃんと俺の言うことを聞いて。

君は大事な俺だけのお姫様だから。
この腕は、一生君を守るためにあるのだから。

そう、ちゃんと誓わせて?


いいかい?


答えはYESしか受け付けない。
YESを聞くまで離さない。


もう、決めたんだ。


ね?キョーコ。
昨日はごめん。本当にごめん。
これからもきっと君を怒らせてしまうことが何度もあると思うけど。

それはきっと。
間違いなく。
自分でもどうしようもないほど君を愛しすぎているからだと思うんだ。

それはたぶんどうやっても変えられない。
君を想う気持ちは、増えこそすれ減ることはない。

だからきっと。
間違いなく。
君をまた怒らせてしまうことがあると思う。

でも――――、
それでもずっと。
お願いだから、この腕の中にいて。


そしてその温もりで、俺のすべてをあたためて。







Fin

大きなワンコ。
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