非通知アリ

RRRRR


携帯が震える。
画面に表示される非通知の文字。
最初のころはそれをみるたび『誰からだろう?』って思ってた。

それがいつからだろう。『もしかしたら』に変わったのは。



「…もしもし、俺だけど」


やっぱり。
どきどきする胸をおさえ、わたしは応える。


「敦賀さん、どうしたんですか?」


誰もいない自室だから、今はどんなに顔が赤くなっても平気。



あの人に好きな人がいるのは知ってる。

それがわたしじゃないことも。
あの人にとって、わたしは単なる手のかかる後輩に過ぎないことも。



でも---、今この瞬間、あなたの時間は私だけのもの。

世界中で、あなたは私だけと繋がってる。

それがこんなにも嬉しい。



「こんな時間に、ごめんね」

「そんな・・・敦賀さんなら、どんな時間でも大歓迎ですよ」


低く艶やかな声が私の耳をくすぐる。

それだけで胸が高鳴った。



その声で名前を呼ばれたらどんなだろう。

愛を囁かれたらどんなだろう。


叶わぬ願いが心を締め付ける


けっして届くことのない想いがふくらんでいく



わたしのなかで

どんどん

どんどんふくらんでいく




fin

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