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星あかり ~「陽だまり」その後~

※2016/4/28加筆修正

「……いい?」

懇願するように呟かれた蓮の言葉に圧されるように、キョーコは反射的に頷いてしまった。
それがどんなことを意味するかもよく理解せぬまま。
途端に蓮がキョーコの痩躯をきつく抱きしめる。


「わわっ、何するんですか」
「何って、君が好きだから。君のすべてを感じたくて。第一、先にけしかけたのは君のほうだよ。」

けしかけたわけじゃないのに……と思いつつ見上げた瞳には、息をのむほどの壮絶な色香が滲んでいて。
かつて”夜の帝王”と名付けたソレを超える何かを感じ、キョーコはぶるんと身を震わせた。
先ほどまでの穏やかな愛情に満ちた表情とは異なる、もっと鋭く強い瞳の色。
鳴り響く心臓にクラクラしながら、一方で自分の中に”もっと蓮に触れたい。触れられたい”という想いが津々と湧き上がるのをキョーコは確かに感じていた。
その想いが反映されたように、潤みを増す瞳。
それを認めるや、たまらず蓮はキョーコの唇を奪っていた。

「じつはね。今日の撮影、延期になった。」

幾度となく繰り返される啄むようなキスの合間に、蓮はふとそう口にした。
うっとりと潤んでいたキョーコの瞳がぐっと大きく見開かれる。

「君も明日の午後までオフだったよね。だから……」
「……まだ、一緒にいられるんですね。」

嬉しい、と微かに続いた言葉を耳に捉えた瞬間、蓮の心をひどく甘美なものが駆け巡った
向けられるキスがより深くより熱く姿を変える。
触れては離れ、角度を変えてはまた触れ……。
止まらぬキスに時折“きゃっ”と小さくキョーコが悲鳴を上げた。
その声に一瞬びくっとしたものの、キョーコは抵抗するでもなく大人しく蓮の腕の中におさまっていて。
最愛の人を得られた幸運を噛みしめながら、腕の中の小さな頭に顔を埋め、蓮は囁いた。

「俺も、すごく嬉しい」

いつしか日はすっかり西に傾き、二人を赤く染めていた。
柔らかな陽ざしの中、キョーコの甘い香りを胸いっぱいに吸い込みながら、蓮はその髪をするすると指で弄う。

「愛してる。今までも、これからも、ずっとずっと君だけを。」

キョーコの右手を取り上げた蓮は、その甲にまるで何かを誓うようにそっと口付けた。
その仕草に、キョーコが恥ずかしげに目を伏せる。

「私も……愛してます。」

零れ出た言葉に、蓮がこれまで抑えて続けてきた理性のすべてが剥ぎ取られていく。
繰り返されるキスはやがて唇から頬へ額へ散り、そしてゆっくり首筋へと降りていった。



*


キョーコへの気持ちを自覚したときから、蓮の心は呆れるほど強くキョーコに惹きつけられていた。
その想いは日を追うごとに強まり、溢れ、気持ちが通じ合った今、蓮はすっかりその中に溺れている自分を自覚している。

―――彼女しか見えない。

薄紅色に上気した頬、切なげに震える唇、わずかに潤んだ茶色い瞳、伝わってくる体温……すべてが蓮を狂わせる。
押さえようとしても押さえきれない、息をするのも苦しいほど切ない想い。


もっと彼女がほしい。
もっと彼女を感じたい。
彼女の隅々まで愛し尽くしたい。


その渇望は、腕の中で囁かれた”愛している”の言葉に一気に決壊を解き放たれた。
もはや押さえる術はなく、溢れ出した想いに身を任せ、蓮はキョーコをぐっと引き寄せる。

「君のすべてがほしい……。」

返事を待つことなく微かに開いた薄紅色の唇を自らのそれで塞ぎ、啄ばみ、翻弄して。
そうして耐え切れず舌先を侵入させた瞬間、キョーコの全身が一瞬強張った。
今、彼女を躊躇わせ戸惑わせているのは、“未知”への怯え。
しかし蓮は躊躇いなくキョーコの口腔を探り続ける。
縦横無尽に舌先を走らせ、角度を変えながら、唇を滑らせる。

「っぅ………」

ときおり隙間から漏れるキョーコの吐息すら逃がしたくなくて。
蓮は、弄り吸い付くようなキスを繰り返した。
その苦しさに耐えかねてか、身じろぎを繰り返す華奢な身体。
なにかを掴もうとするかように頼りなく伸ばされた手に自分の指先をしっかりと絡め、蓮はやさしく、けれど決して解れない力強さでその手を握り締めた。
潤みを含んだ瞳は、蓮の姿を鮮明に映し出していて。
そのことがさらに蓮を強く煽る。

どれだけの間、そうやってキスしていただろう。
やがて、キョーコの身体から力が抜け落ちていくのがわかった。

「れ……ん…さ………お願、い……」

掠れた声がキョーコの唇から漏れる。
その声に滲む懇願に、蓮の身体がビクリと震えた。
痺れるような幸福感が全身を包み込む。

戸惑いのかけらもなく、蓮はすばやくキョーコを抱き上げ、寝室へ移動した。
そしてやわらかいベッドの上に彼女をやさしく横たえる。

「キョーコ……。」

頭の後ろに差し入れていた手をぐいと引き寄せ、いきなり激しく口付けた。
細い体を力強く抱き、栗色の髪をやさしくかき混ぜながら。
溢れかえる想いをその名に変えて。

哀切に幾度も囁かれる自分の名前に導かれるように、キョーコの細い腕がゆるりと蓮の首に巻き付いた。
瞬時に背中へ回された腕が、キョーコの肩を、腰を強く絡みとる。
そして蓮は無言でゆるやかに彼女の身体を押し倒した。

健気でいじらしい……愛しい彼女。
大切な、何よりも大切な世界でただ一人の人。

「なんと言われようと……もう、止められない。」

より深くより激しく、すべてを覆い尽くすような口づけに、キョーコの息が再び乱れを大きくしていく。
薄紅色に染まった白肌は湿り気を帯び、触れるたび蓮の指先や掌にやわらかく吸い付いて離れない。
その滑らかなその感触が、蓮にはたまらなく愛おしかった。



蓮が夢見、求め続けていた現実。
それをつかみ取るように両腕を伸ばし、蓮はキョーコの身体にゆっくりと身を重ねていった。





やがて二人のなにもかもが一つに蕩けていく。
――――ただひとつに。






fin
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コメント

  • 2014/03/07 (Fri)
    00:51
    さっそくっ

    こんばんわ!
    パスワード申請の返信ありがとうございました!
    こんなに早くお返事もらえると思ってなかったので、すごく嬉しいです。
    お忙しい中、ありがとうございました! 

    そして、読ませてもらった星あかりも、甘くて切ない…胸がきゅっとされましたvv
    ふたりには、甘い甘い夜を過ごしてほしいと思いますっ

    chimaris #- | URL | 編集
  • 2014/03/07 (Fri)
    16:15
    Re: さっそくっ

    > chimarisさん

    こちらこそ申請いただきありがとうございました^^
    原作の二人は、まだまだこれからの状況ですが、せめて二次ではたーーーっぷり甘い時間を過ごしてもらいたいなあ、と思うのです(といいつつ、切ない系ばっかり書いてますけど^^;)

    ちなぞ #- | URL | 編集

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