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心理テストなんて誰が考えた 4

「結果・・・見ますね。」

すっかりトーンの落ちた蓮の言葉に、社はごくりとつばを飲んだ。
正直どんなことが書かれているかはわかりきっている。

(いよいよ、この時が来てしまったか・・・。蓮、ショックに自分を失うなよ・・・。まあ、すでに充分ショックは受けているようだけどな。)

まさか蓮がここまで、心理テストに真剣にとりくむとは思ってもいなかった社。
恐怖を通り越し、悟りを開き、そして今は兄として?マネージャーとして?蓮の今後が心配になっている。


(今日はこの後まだ仕事があるんだからな。わかってるよな。)



* * * * * * * * * * * * * * * *


二人の関係はどんな感じ?

熱愛度     56%
友情度     51%
顔見知り度  100%
赤の他人度  46%


好きな人はあなたのことを【ただの知り合い】と思っているようです。

あの人にとってあなたの存在は、別に普通の知り合い、といったところ。

いわゆる「その他大勢」の扱いで、まだまだ特別なプライオリティは持たれていないようです。

あの人の中であなたの存在価値を高めるためには、もっともっといろんな話をして、交流を深めなければなりません。

友達も交えて出かける機会を増やしてみるといいでしょう。


* * * * * * * * * * * * * * * *


「【ただの知り合い】に「その他大勢」、ですか・・・もう少し言葉を選べないもんですかね。」


がっくりと肩を落とす蓮。

一方社は、ほっと胸をなでおろしていた。


(なんだ、想像してたよりはずっとましじゃないか!)


「おい。よく見ろよ。熱愛度が50%になってるぞ。つまり、1/2の確率でキョーコちゃんはお前に恋してるってことじゃないか?」

などと正直に思ったことを口にして慰めてみるが、蓮はまったく浮上してこない。


「逆にいえば、1/2の確率でだめだってことですよね。赤の他人度だって46%もあるんですよ。合わせたら96%の確率で“範疇外”ってことじゃないですか。」


(・・・蓮、それ、計算おかしいから。っていうか、お前そんなネガティブキャラだったっけ?)


「ま、まあ、ほら、とにかくこれからが肝心だってことだよ。ここにもそう書いてあるじゃないか。交流を深めろってさ。できるだけキョーコちゃんとの時間をとれるよう、俺もがんばる。協力する。だから、お前もがんばれ。な。」

「すでに充分やってるつもりなんですけど・・・」


(まあ、たしかに・・・初心者にしてはがんばってると思うよ。ちょっと姑息だったり策士だったりはするけどさ。)


まったくこの男は・・・とため息をつきつつ雑誌を見下ろした社は、蓮の結果と同じ場所に小さく丸がついていることに気付いた。

(あれ?この丸。これって、もしかしなくても、この心理テストをやった子がつけたんだよな・・・。蓮とおんなじ結果になるって・・・。)


幸い?なことに、この小さな丸に蓮は気付いていないらしい。

さまざまな連想が社の頭を浮遊する。

(この結果にたどりつくということは・・・蓮と同じか近い答えを選んでるってことだよな。)

社の頭に、キョーコ、奏江、千織が順番に頭に浮かぶ。・・・が答えが出ない。

そのとき、蓮が思い直したように、ガタンと腰を上げた。


「とにかくっ!もう大人しく待ってる場合じゃありませんね。彼女が成長するまで、“尊敬する先輩”の立場で一番近い場所からそっと見守っていよう・・・なんて甘い考えは捨てます。
そもそも“存在価値を高める”ための努力を惜しんでたつもりはなかったつもりなんですが、どうやらまだまだ甘かったようです。
とにかく、ちょっと目を離すと雨後のタケノコみたいににょきにょき馬の骨が湧いてくるんですからっ!
「その他大勢」なんかからは、さっさと抜け出さないと話にならないですよっ!
しばらくは攻めの姿勢でいきますから、社さん、しっかり協力お願いしますね。」




そのときだった。


「いいいいいやああああああああああ!!!!!!」


ただならぬ叫びに、ビクッとした二人が目を上げると、そこにはムンクも真っ青なキョーコの姿が!


「敦賀さんは、敦賀さんは、見ちゃだめです!」


「も、最上さん・・・?」

「キョ、キョーコちゃん・・・?」


呆然とする2人を尻目に、キョーコは蓮の手の中にある雑誌と自分のショルダーバッグをがしっと掴むと、脱兎のごとく逃げ出した。それはもうものすごいスピードで。


しかし、社も蓮もその顔が真っ赤に染まっていたのを見逃しはしなかった。


「「え?」」


「社さん・・・」「蓮・・・」

思わず顔を見合わせる二人。


ま、さ、か・・・・・・?


「最上さん(キョーコちゃん)の???」


その瞬間、蓮の顔にさっと血の気が差した。キラーン!目に鋭い光が宿る。


(ス、スナイパー?)


「社さん、すみませんがちょっと失礼します!時間までには駐車場に行きますので」

(だよな。当然そうくるよな。)


小さくため息をつきながら、社はちらりと時計を見やった。

「40分後に駐車場。それが限界だ。」



「ありがとうございます!!」

言うや否や、蓮はチーター並みの早さで駈け出した。


「ぜったい、ぜったい遅れるなよぉ~~~!!!!」

あっというまに小さくなっていく背中に向かい、社の声がむなしくこだまする。


(うわっ。もうあんなところに!相変わらずキョーコちゃんのこととなると行動が早いな。
それにしても、あの丸、あの表情、あの叫び・・・。やっぱり、どう考えてもあの心理テストをやってたのはキョーコちゃんってことだよな。ってことは・・・誰か好きなやつがいるってこと・・・か・・・?。しかも、あんな結果になるような・・・。)


敏腕マネージャーとして、人の顔色と心を読むことにかけてはそれなりの自信をもっていた社だが、これはまさに青天の霹靂。


(それってもしかして・・・相手って・・・やっぱり蓮・・・だよな?だよな?
・・・いや、ぜったいにそうであってくれ。お願いだ~!)


社は心底願った。


(とにかく・・・がんばって“交流を深めろ”よ・・・蓮。俺の勘では勝算はかなり高い。

ただ・・・追い詰めちゃだめだ。気持はわかるけど、追い詰めたら一気に逃げられるぞ。たぶん、お前でも追いつけない早さと勢いで。

だからな・・・一生のお願いだから、ここでは下手な事を、や る な。)


何を「やる」のかの具体的部分はあえて考えず、獲物を追い詰める猛獣のようになっていた自らの担当俳優の姿に思いを馳せる社なのであった。


(あとな・・・、この後に仕事があることを忘れないでくれ。)
手の中の胃薬に目を落とす。



「とりあえず、昼飯でも急いで食うか・・・。胃薬飲みたいし。」

(このあといろいろ大変になりそうだもんな・・・俺。)




(つづく)

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当初はここで終わっていたのですが、リクエストをいただき、続きを書いてみました。

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