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【捧】 ひかりさんへ捧げる“こたつで蓮キョ” その2

※2016/3/3改稿&再掲

こちらは以前『こたつで蓮キョ祭り』企画で、「降っても晴れてもスキ日和」 のひかりさまに勝手に捧げたSS第二話目となります。
「その1」と「その2」はもともと1つのお話だったので、よく似た感じですがお許しくださいませ!

※付き合い始めたものの、キスもまだな2人のお話です。



「こたつって…そんなにいいモノ?俺、経験したことないんだ。こたつ。」

言われた言葉にびっくりして、敦賀さんを思わず1人暮らしをはじめたばかりのわが家にご招待してしまったのはつい昨日のこと。
だって、ちょうど最高気温がヒトケタになった先週から、わが家のリビングには“おこた”が鎮座しはじめたところだったんだもの。



お付き合いをはじめて1か月。
もうお部屋に招待しても……破廉恥じゃないわよね?

それに、
『こたつを経験したことがないなんて、信じられない!
日本に住んでいるのに、あの心地よさを知らないなんて、あり得ない!』って、思ったし。

そう、私はただ……。

部屋の真ん中に据えられたぬくぬくと温かいこたつ。
そのこたつに入りながらつつく、お野菜たっぷりで身体にやさしいお鍋。
そしてデザート代わりにいただく、定番のおみかん。

そんな、これぞ“ニッポンの冬!”を敦賀さんに経験してもらいたかっただけ。
それだけだったのに。なのに……。


(ど、ど、どうして、こんな状況に陥ってるの~!!???)


おこたの隣で、にっこりキケンな微笑みを浮かべてる敦賀さん。
その指先には、きれいに剥かれたミカンがつままれていて。

「はい。あ~んして。」

どこか帝王の漂う笑顔をじっと私に向けながら言ってくる。
もう何度目ですか、その言葉!

(こ、こ、こんなの、恥ずかしすぎですぅ~~~。)

至近距離で向けられる微笑みと、ときおり唇にぶつかる指先も相まって、私はますます赤面してしまう。
でも逃げ出すわけにもいかなくて。
真っ赤になった顔を逸らすこともできないまま、仕方なく小さく口を開けた。



* * *



コトの起こりはキッチンでお鍋の準備をしていたときのこと。


「野菜を切るだけですから、どうぞ先にリビングでおこたにあたっててくださいね。」
そう声をかけた私に、敦賀さんは
「だって俺、こたつは初めての経験なんだよ。初体験!初体験をひとりで、なんていやだな。キョーコと一緒に、じゃなきゃぜったいやだ。」
って、狭い狭いわが家のキッチンで、大きな身体を縮めながらダダをこねる子供みたいに答えた。

(くぅぅ~っ、可愛い…。)

思わずキュンとしてしまう。
そのうえ、「ねえ?なにか手伝えることはない?」なんてうろうろ纏わりついて離れないんだもの。
その姿がまるで餌を欲しがるわんこみたいに見えてしまって……。

だからつい、
「そしたら、そこにあるみかんをむいていただけますか?美味しいって聞いたから。先にちょっとだけいただいてみましょ?」
なんて口走ってしまった。

そのひと言に、ぱあーっと花が開くように満開の笑顔をみせて
「うん、わかったよ!」
子供みたいにうなずく姿を見て、さっきよりもっともっと可愛いっなんて思ってしまったのはナイショ。


そのまま夢中でみかんをむきはじめる敦賀さんの隣で、残りの野菜を切る私。
ときどき何気なく肩が触れ合うことがあって、その度にドキリとする。

(なんだか、顔が熱くなってきちゃう…。)

真っ赤な顔を見られるのが恥ずかしくて、俯いて一生懸命まな板に集中していた。




「キョーコ、ねえ、キョーコ?」

声が聞こえて、あわてて顔を向けた。
そう…つきあいはじめてから、敦賀さんは私のことをキョーコと呼び捨てる。
それが何だかとても照れくさくて嬉しくて、聞くたびに胸がキュンッとしてしまう。

「はい、どうぞ。」
ふりむいたとたん、そんな言葉とともにいきなり口に押し込まれた……みかん。

「あ、おいしい…。」思わずつぶやいた私に、
「そう?よかった。」
微笑み返す敦賀さんの笑顔が眩しくて、持っていた包丁の刃先が狂いそうになる。

「筋も薄皮も、きれいにとってくださったんですね。ありがとうございます。」
慌てて、バカ丁寧な口調でごまかすように口走ってしまった。

でも…。

大きな指先を器用に使って丁寧にむかれたソレは、本当に筋の一本もなく滑らかで食べやすくて、そのせいか何だかとても甘く美味しく感じられたから。

だから……。

「こんな風に食べさせてもらったのなんて、初めてで…なんだかヘンな感じです。でも…なんだか幸せ。」なんて続けてしまった。

最後のひと言は、声に出さずにいたつもりだったのに……。
目の前の敦賀さんの顔が驚くほどぱあーっと赤く染まって、いきなり抱き締めようとするからびっくりしてしまった。

「だ、だ、だめです!包丁もってるんですから!あーもう!リビングに行ってて下さい!すぐ行きますから。」

必死の思いでまくしたて、敦賀さんをキッチンから追い出した。



*



そう――。

そんなわけで、確かに私は口にしました。
「食べさせてもらうとおいしい」って。

確かに言ったけど……。

でも……。

(まさかこんなことになるなんて!)

こたつにあたり二人でお鍋を食べる時も、いつのまにか私の器や箸が隠されてていて、ぜーんぶ「あ~ん」と食べさせられて。

「あの…敦賀さんも…ちゃんと召し上がってください!」
困りに困ってそう言えば、
「じゃあ、食べさせて。じゃないと、食べない。」って……。

(いったい、あなたはどこのお子ちゃまですか!)

まさか、敦賀さんがこんな人だったなんて……。
もうっ!
でも、でも、でも。
あーんと口を開けて見せる敦賀さんの、それはそれは嬉しそうな笑顔が何だか嬉しくてつい……食べさせてしまった。
ああ、私ったらほんとに敦賀さんに弱いんだから…。


そんなこんなで、無事?お鍋も食べ終わり、片付けも終わり、ようやく“おこた”にしっぽりおさまった私たち。
なんだろう。
私、妙にぐったりしてます。
ふうーっと息を吐いて、隣を見れば、敦賀さんが私を見てくすりと笑う。

ん?

あの……なにか今……、イケナイこと思い付きませんでした?
笑顔がキュラキュラしてますよ。

「ねえねえ、キョーコ。このみかんはデザートだよね。」

ほらきた。

「ひとつ、いただいてもいい?」

あれ?

「社さんが、こたつといえばみかんを食べないとって言ってたからね。ちゃんとそれを実践しなきゃって思ってたんだ。」

なんか、フツウ?

……やだ、私。
もしかして、ちょっとがっかりしてる?
そう気がついたら、急に恥ずかしくなって、ついこたつにもぞもぞともぐりこんでしまった。

そんな私の横で、口許を小さくほころばせながら、夢中になってみかんをむく敦賀さん。
口の上までこたつ布団をたくし上げながら、そーっとそーっとその姿を盗み見る。

小さなみかんを大事そうに抱え、細い筋も一本一本丁寧にとっている大きな手。
指を動かすたび、さらりと流れる艶やかな黒髪。
何度もぱちぱちと瞬く瞳の上では、長い睫がゆらゆらと揺れている。

(みかんをむく姿もきれい、なんだ……。)
思わずうっとりとため息が出そうになる。
(それにしても敦賀さんのこんな姿、きっと誰も想像できないわよね。)

こたつに入って、みかんの皮を必死にむく敦賀さんなんて、普段のイメージと全然ちがうもの。
でも、そんな誰も知らない敦賀さんが、今私だけの前にいる。
そのことに思い当たると、なぜか身体中が一気にカーッとしてきた。
心臓のドキドキも、気のせいか強くなってくる。

ど、どうしてこんなに熱いんだろう。
きっとこたつの設定温度が高すぎるんだ。
そうよ。そうだわ。
こんな風に身体が熱くなってしまうのは、きっとぬくぬくのこたつ布団にくるまれているせい。
きっとそうなんだ。

(ウソ。敦賀さんのことが大好き…だから。)
ポンッと頭に浮かんだとたん、ぷしゅ~~と音を立てて頭が蒸気した。
(……ああ、また思考の迷宮に入りこんじゃう。)

ぶんと大きく頭を振って、ようやく我に返った。

最近は、いつも、そう。
敦賀さんとふたりでいると、何かの拍子にすぐ思考の迷宮に入りこんでしまう。

ほんとはその理由もわかってる。

隣にいてくれる姿を見るだけで、心がギュッとするくらい好きなのに。
上手くその気持ちを伝えられないから。

敦賀さんが毎日言ってくれるみたいに、私も好きってちゃんと伝えたいのに。
いつも口ごもってしまうから。

ほんとはもっと近づいてきてほしいのに。
私からもぎゅって抱きつきたいくらい大好きなのに。
どうしても、手を伸ばせないから。

さっきみたいなアクシデントでもないかぎり、何も言えない自分がもどかしくて。
でも、やっぱり恥ずかしくて。
どうすればいいかわからない。

……そんなことを考えていたら、なんだかじわりと涙が込み上げてきた。


「おいしいね。このみかん。」
心の中で葛藤を続ける私に気付いているのかいないのか、敦賀さんがにっこり微笑んだ。


徒然妄想記-ひかりさんのステキイラスト



「はい、あ~んして。」

照れくさくて逃げ出したいくらいだったはずのその言葉が、じわりと心を包み込む。
温かくてやさしくて、ふわんとやわらかい気持ちが、全身にゆったり染み渡る。

だから、今度は素直に口をあけられた。
そして差し出されたみかんをぱくんと食べた……だけのはずだったのに。

(ゆ、ゆ、ゆび!指も食べちゃった!)

ピーーーーッとものすごい音を立てて頭の中が沸騰してくる。
目の前がクルクルしちゃうくらい……熱い。

でも、敦賀さんは一瞬「あっ」って顔をしたくらいで全然動じてなくて、それどころかそのまま戻した指をぺろりと舐めてみせた。


そんな仕草も艶っぽくて色っぽくて。
思わず固まってしまった私をじーっと見つめていたかと思うと、
「あっ、ほっぺたに、なんかついてるよ。さっきの鍋の具かな?」
言いながら、伸びてきた指先がするっと頬をたどり……。

「うん。可愛いほっぺただ。」
照れちゃうような言葉が囁かれ……。

「とってあげるね。」
近づく艶声に恥ずかしくて思わずぎゅっと目を瞑ったら、いきなり頬にやわらかくて温かいモノが触れた。

「つ、つ、つ、つるがさん!!!!」

あわあわと焦ってどもる私の耳元で、くすくすと笑う声が聞こえる。
笑い声にリズムを合わせるように、吐き出された息が敏感な耳朶を掠り、カーッと顔中が熱くなった。
パーンと音を立てて、頭の回線が弾けそうになる。

くすぐったいのか、照れくさいのか、それとももっと違う感情なのか、自分でもよくわからないほどの混乱に力が一気に抜けてしまった。
へなへなと、こたつ布団に身をすくませた私に、身体を戻した敦賀さんが笑みを向ける。

……え?

笑顔がものすご~くキュラキュラしてる?
怒りのオーラもほんのり見える?
なんだか少し……やな予感。

「……敦賀さん?ねえ、今敦賀さんって言った?言ったよね?」
(ハイ。確カニ、イイマシタ)

「俺、これからは名前で呼んでって言ったよね?」
(ハイ。確カニ、イワレマシタ)

「え、えっと。ごめんなさい。れ、れ……」
「ん?よく聞こえない。」

ああ、顔が、端正な顔が近づいてくる!
どうしたらいいの!
心臓が!!

「ほら、ちゃんと呼んで。」
そのうえ、身体が近づくにつれ、なぜかこたつの中の足がふれたり小さく重なったり……。

もう、どうしろっていうんですか~!

「あれ?どうしたの?顔、ずいぶん赤いけど?」
セリフとともに向けられるキュラキュラとした笑顔。
ぜったい。ぜったい分かってやってるんだ!

なんて、なんて、なんて

『いじめっ子…。』

「ん?今、なんか言った?」
(ああああ、しまったぁ!!声に出ちゃってた。あああ、墓穴……)

「この口は、今何て言ったのかな?」
すっと伸ばされた両手が、私の頬をむんずとつかみ、ぐっと左右に引き延ばした。

「んっ、んががっ、んががががががっ!(な、なにも、いってませんっ!)」
訴えはみたものの、当然聞いてなどもらえるはずもなく。
くすくすと笑うその顔を涙目で必死に見つめていたら―――。

不意にその顔がふっと我に返ったようにやさしく艶を増し……。
驚く私の頬をしっかり押さえたまま、さっきよりさらにぐっと近づいてきて……。

吐息がかかるほど、近付いてきて……。

近付いてきて……。

近付いて……。

そして…。


ふわん。

敦賀さんの香りがそこら中に漂ったかと思うと、いきなりみかんの味が唇から入り込んできた。
驚くほどやわらかく、驚くほど甘い、不思議な感覚といっしょに。


……え。

……う、そ。

これって……。



まさか……。









Fin
スキビ☆ランキング ←参加してみました。よろしくお願いします。

ひかりさま、ほんとにほんとにありがとうございました!!




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コメント

  • 2016/03/07 (Mon)
    19:35
    この度はありがとうございました!

    ちなぞさんこんばんは!
    この度はリンクしていただきありがとうございました!

    飴の方でもたくさんお世話になっております!
    うちのブログは更新もすっかりゆったりモードですが、ちなぞさん宅ではたくさんのお話にいつも癒されております。

    すでに懐かしいこたつで蓮キョ企画、あったかほかほかな二人のお話をありがとうございました!

    これからもぜひお邪魔させてくださいませね!
    ではでは

    ひかり

    ひかり #- | URL | 編集
  • 2016/03/09 (Wed)
    11:35
    Re: この度はありがとうございました!

    ひかりさま

    おお、わざわざコメントありがとうございます!
    こちらこそ、あちらこちらでいつもいつもお世話になっております♪
    ひかりさんのイラストもお話も本当に素敵すぎて、いつ拝見拝読してもうっとり~(*´▽`*)
    先日のキョコちゃんも可愛すぎて悶えましたーーー。

    これからもぜひぜひよろしくお願いいたします^^

    ちなぞ #- | URL | 編集

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