【捧】 ひかりさんへ捧げる“こたつで蓮キョ” その1

※2016/3/3改稿&再掲

こちらは以前実施された『こたつで蓮キョ祭り』に参加させていただいたお話です。
Amebaサイトには掲載していたのですが、こちらには未掲載となっていたので、今回この妄想の源となった素敵イラストを描かれた「降っても晴れてもスキ日和」 のひかりさまにご許可をいただき、こちらに再掲することとなりました。(ひかりさま、今更のお願いにもかかわらずご快諾いただきありがとうございました!)
掲載にあたり一部改稿を行っています。

同じイラストから、作ったお話は2つ。というより、最初はひとつのつもりで書いているうちに「あれ?これ別のお話になるんじゃない?」となった、ある意味双子のようなお話です。
その1、その2、共にお話内のここがいいかな?という場所にも挿入させていただきました。
お話よりなにより、ひかりさまの素敵イラストをとにかくじっくりご覧くださいね♪(大きいイラストはひかりさまサイトへ!)
ひかりさん、本当に本当にありがとうございました!

※どちらも付き合い始めたものの、キスもまだな2人のお話です。



(ど、ど、ど、どうしてこんなことになっちゃったの~~!!)

ほとんど涙目になりながら、キョーコは心の中で盛大に叫んだ。
そのキョーコの唇に今まさに触れんとしているのは、蓮の指先……が掴んだみかんの粒。

「はい、あ~んして。」

いやだともいえず開いた唇に、ツプンッとみかんの粒が押し込まれる。
微かに触れる指先。
あっと思ったときにはもうその感触は消えていて、爽やかな柑橘の香りがふわんと口に広がった。
筋も薄皮も丁寧に外されたソレは、たしかに甘くておいしい。

「どう?」
「はい……、すごく……おいしい……デス。」

うなずいてはみたものの、そうやって食べさせられるのはあまりにも恥かしく照れくさい。
ドキドキと動悸はおさまらないし、顔はどんどん熱を帯びていく。

けれど、そんなキョーコのことなどまるで気づいていないかのように

「そう、よかった。」

キョーコの言葉に満足そうにうなずくと、蓮はすぐ次のひと粒にとりかかった。


みかんを剥く指先が、ほんの少しオレンジ色に染まってるのが見える。
先ほど唇に触れた、あの微かな感触。
それがいまさらのようにまざまざと思い出され、キョーコの頬が一段と赤く染まった。




* * *




今、こたつに入った私は90度角の隣同士というズバリ恋人距離な場所から、これでもかという勢いで尊敬する大先輩に詰め寄られている。
ううん。詰め寄られてるっていう表現は、間違ってるかも。
キレイに剥いたみかんを食べさせようとしてくれてるだけだもの。


でもね。
『あーん』っていうのはどうかと思うの。
もうイイオトナ、なのに。

なによりアノ敦賀さんがそんなことするなんて!
……ううん。
イヤってわけじゃなくて。
なんていうか……。

と、に、か、く。
恥ずかしすぎなんです!


寿命がどんどん縮まっていくのがわかるくらい、心臓がドキドキして身悶えがとまらない。
そんな状況に追い込まれてるんです、今。
しかもその先輩ときたら、なんだかキュラキュラと胡散臭い笑顔を撒き散らしはじめてるし……。



……あ、いけない。
先輩、じゃなかった。



えっと……。

コ……。

ココ……。

コ……、コイ……コイビ……ト?


きゃーーー/////
口にするだけで、恥ずかしすぎる。

そもそも……そんな言葉で表現して、本当にいいのかしら!


だって、
だって、
だって、この人はあの“敦賀蓮”その人なのよ。


「芸能界イチのいい男」といわれ、「抱かれたい男NO.1」の座を不動のものとし、世の女性方を眼差しひとつで蕩けさせてしまう!

そんな敦賀さんが……なんと今や“尊敬すべき大先輩”ではなく、私の大切なコ……コイビト……だなんて。
なんだかすごくおこがましい気がする……。


でも……、なぜか、なぜか、いつの間にかそんなことになってしまった……のよね。
正直、いまだに自分でも夢じゃないかと思って毎晩寝る前に頬をつねったりしてるんだけど。
痛さで眠れなくなるくらいだから、やっぱり……ゲンジツみたい。


ずっと、ずっと憧れて、追いかけて、心の奥でいつのまにか大好きになっていた大先輩。
まさか、その人から「好きです。つきあってください」なんて言葉を言われるなんて、ほんとに夢にも思っていなかった。
最初はドッキリかなにかの×ゲームだと思いこんで……。
怒ったり、逃げ出したり、泣いたりもした。


でも……。
いつだって、敦賀さんからは神々しいばかりの笑顔と「これは本気だから。」って言葉しか返ってこなくて。

そのうち疲れ果ててしまって、つい口にしたたった一度の「はい」が全てを変えた。

今思い返してもヒィィーってなるくらい、大変な状況。


だって、敦賀さん……。


事務所でも、スタジオでも、撮影現場でも、共演すれば空いている時間はいつも私の傍にいて、片手は腰に回しっぱなし。
別々の仕事のときも、どうやって時間をやりくりしているのか、終了時刻になると「迎えにきたよ」ってキュラキュラ笑顔で現れて、有無を言わさず引っ張っていかれる。
会えないときだって、毎朝毎晩電話がかかってきて、「今日も最後に君の声が聞けってよかった。これで明日もがんばれる気がする」とか、身悶えしそうな愛のセリフを口走る……。


私が知っていた敦賀さんとはなんだかちょっと……ううん、だいぶ違うその態度にあまりにもびっくりして。
『あの敦賀さんが、皆さんの前でこんなバカげた行動を平気で繰り返すなんて。やっぱり、ドッキリか罰ゲームだったのね。それにしても長期な撮影……』なんて思ってしまった。

だから、トンデモナイ態度をとられるたびに、「相手をお間違えでは?」と返したり、「わたしなんて釣り合いません!」って憤慨してみたり、「何かの気の迷いです!すぐ気がつくはずです!」と訴えてみたりしたのだけれど。

いつだって、「どうして?」「好きだから当たり前でしょ。」「ようやく両想いになれたんだ。いいよね。」の悪魔的三段論法?で話は終了。

気がつけば……。
あれよあれよと思う間に、すっかり「2人はソウイウ関係」ってことでまとまっていた。


それに……。
そんな敦賀さんを見たときのみんなの態度にもびっくりだった。


社長には、「おめでとう。最上くん。」なんて握手されたうえに「結婚式は俺に任せろ」って宣言されるし。
モー子さんや千織さんには「あんなヘタレで、ほんとにいいの?後悔しない?」って2人がかりで真剣に聞かれるし。
社さんに至っては、なぜか男泣きをしはじめて「よかった、よかった。」って。

とにかく最後には、みんな口をそろえて「まとまってくれてほんとによかった。」「ようやくか。」「このまま、もうダメかと思った」って。


えっと……ソレ、どういうことですか?


疑問を口に出そうとすれば、いつだって敦賀さんにさっと身体を引き寄せられてしまうから、そっちに気を取られて口にすることができない。
しかも、そんなときの敦賀さんはいつも蕩けんばかりの幸せな笑顔を見せてくれていて。
そんな笑顔にすっかり目を奪われて、気が付いたらさらりと話を流されてた。


でもね……。
逃げ出そうとしたり、怒ったり、いろいろしてたけど、でもほんとはとっても嬉しかった。

すごく、すごく嬉しくて。
どうしたらいいかわからないくらい幸せで。

夢みたい、だった。

今も……そう。
なんだか夢の中にいるみたい。

だって私も、ホントはずっとずっとずっと敦賀さんのことが好きだったから。


だ、け、ど。


それはそれ、なんです。


大好きで大好きでたまらないからこそ、どうしても慣れることができない「コイビトの距離」。
ようやく、抱き締められても飛び跳ねたりはしなくなったけど……。
でも、広くて厚くて逞しい胸に抱きかかえられると、それだけで息が止まりそうにドキドキが止まらない。
吸いこまれそうな瞳でじっと見つめられると、ギュウギュウと心臓が締め付けられる。

もう少しこの心臓が、やわらかな温もりや、間近な微笑みや、包み込む香りや、そんなあなたのぜんぶに慣れるまで……。

あんまりいつもいつも、至近距離に近づかないでほしいんですぅっ!(とくに外では!)
じゃないと、私……。


*


「ねえ。何考えてるの?キョーコ。」


耳もとで聞こえた声に思わず顔を向ければ、世の女性方に大きな悲鳴を上げさせる神々しい笑顔がまっすぐ私だけに向けられていた。
妖しく光る、その瞳に魅せられる。

敦賀さんの長くて指先には、丁寧に剥き終えたミカンの粒が、まるで夕焼け間近のお日様のかけらのようにキランと輝いて。
一瞬、それを差し出す敦賀さんが、まるで太陽神アポロンの化身のように思えた。

気高く、美しく、温かく、そして……やっぱり少し遠い。

それだけで胸がまた、うくんっと詰まるくらい苦しくなって、私はこたつ布団に首までもぐりこんだ。


「また勝手に変なこと考えてたでしょ?」


少しキュランと不穏な光を放ちながら、敦賀さんはそう言うと空いていた手で私の頬に触れた。
ドキドキが、ドクンドクンにパワーアップして全身を駆け巡る。

徒然妄想記-ひかりさんのステキイラスト



「はい。あ~んして?」

みかんの粒が唇に触れた。

「キョーコがこうして手の届くところにいるだけで、俺は本当に幸せなのに。どうしてわかってくれないからな。

こたつの中の私の膝に、敦賀さんの膝が小さく重なった。
頬を撫でていた手が、今度は頭をくしゃりと撫でる。
見上げた私の目の下をなぞるようにたどられ、鼻先にみかんの匂いがふわりと漂った。
そして口の中にあったみかんの粒が姿を消す頃―――。


私の身体は、敦賀さんの腕の中にすっぽりおさまっていた。

「ずっと、ずっと、大好きだよ。ぜったい離さないからね。」


子守唄よりもやさしく響く敦賀さんの声を聴きながら。







Fin
スキビ☆ランキング ←参加してみました。よろしくお願いします。

[お話その2]もございマス。
もともとひとつのお話だったので、よく似た感じですが、よかったら読んでくださいね^^
ひかりさまの素敵イラストに乾杯!
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