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Talay Bua Daeng (後編)

突然の雪に大わらわしていたら、UPが遅れました。ごめんなさい!


「ちょ、ちょっと蓮さんっ、下して!」

いきなり横抱きにかかえられ、キョーコは顔を真っ赤に染めてもがいた。
恥ずかしいのももちろんだが、何より蓮の身体のことが気にかかる。

「な、何するんですかっ、疲れてるのに!そ、それに重いからっ、私。だめっ!」
とにかく何とか下してもらおうと必死に声をかけたが、蓮はサラッと無視してかかる。
だから、戦略を変えた。

「え、えっとごはんの準備を・・・」
「食事にはまだちょっと早いでしょ?」
「そしたらお風呂とか入られたほうが・・・」
「空港でシャワーを浴びてきた。」
「で、でも、蓮さんっ・・・」
何を言っても聞いてもらえず、たまらず耳元で強く声をあげたらようやく足が止まった。

「いやだよ。やっと会えたんだから。」
キョーコをじっと見つめ頭を左右に振り、ひときわ強く抱き締める。
そのままさりげなく片手をキョーコの頭の後ろに回し、もう何もしゃべらせないとばかり自分の胸にぎゅっと押し付けた。
「で、でも・・・。だって・・・」
無理やり埋めさせた胸もとで、キョーコがまだごにょごにょ呟いている。
そのたび胸に感じる息がくすぐったくて、でも心地よくて、ふっと蓮の頬が緩んだ。

「こうしていたいんだ。ね、キョーコ。俺のわがままをきいて。」



*



「睡蓮の紅い海?」
「そう。そういう意味らしい。本当に海みたいだったよ。朝もやの中に幾千という紅い花がどこまでも続いていて・・・。
この世のものと思えないほどきれいだった。」

リビングのソファに腰掛けても、蓮はキョーコを抱えたまま放そうとしなかった。
自分の腕の中にしっかりと閉じ込め、時折存在を確かめるようにつむじに唇を寄せる。

「そんなにきれいだったんですか?」
「そんなにきれいだった。」

唇を寄せるたび髪から漂うシャンプーの香りが鼻腔をくすぐり、キョーコが確かにここにいると主張する。
それが、蓮の乾ききった身体を、心を、潤わせていく。

「いつか見てみたいです。」
「いつか、見せてあげる。」

約束、と囁いて蓮はキョーコの手をとり甲にキスをした。
触れた唇のやわらかな感触に、キョーコの身体がぴくりと跳ねる。

「一緒に行こう。溺れるほど美しいあの花の海へ。」

覗き込む瞳はどこまでもまっすぐで。
ゆるぎない想いに満ちていた。
そう。
まっすぐすぎて、戸惑うほどに。

「一緒に・・・。」
呟かれた声に微かに滲んだ戸惑いを敏感に感じ取り、蓮はキョーコを抱く腕に力をこめる。
「一緒に。」
念を押すようにそう重ね、それでも足りず言葉を探した。
「愛してる。」
けれど思いつく言葉はひとつしかない。
「愛してる。キョーコ。」

柔らかな頬をさすり、蓮は何度も繰り返す。
キョーコの耳朶にその言葉を焼き付けるように。


――――愛してる


*


「時々すごく不安になった。」

キョーコの身体をゆりかごのようにやさしく揺すりながら蓮が呟く。
「日本にいるときだって忙しくてなかなか会える時間はとれなかったのにね。全然違うんだ。どんなに努力しても会えない。それどころか声を聞くのもままならない。1日ごとにそれを思い知らされて・・・。」
思い返したように、蓮の身体がぶるりと震える。
「そのうち、帰ってきて君がいなくなってたらどうしよう、とか。君がもう俺のことを好きじゃなくなってたらとか。イヤなことばかり頭に浮かんで眠れなくなってきた。」
「蓮さんが?」
「ああ。」
その頬に蓮はそっと唇を寄せ、でももう平気、と囁いた。


「私も・・・」
少しの沈黙の後、意を決したように伸ばされた指先が蓮の頬に触れた。
「私も同じようなこと、考えていました。」
ぽつりとキョーコが口にする。
「もし蓮さんが今頃・・・こうして離れてみたらやっぱり好きだなんて間違いだった、って思ってい・・うぐぅ」
言いかけたキョーコの唇が蓮によってむりやり塞がれ、言葉が途中で途切れる。

「ありえないから。」
少し拗ねたような、怒りを込めた声。
「冗談でも言ってほしくないな。そんなこと。」
「・・・蓮、さん。」

自分を見つめるキョーコの瞳に入り混じる切なさと喜び。
そこにたしかに自分への愛を感じ・・・蓮はこくりと唾をのんだ。
ドクンドクンドクン
心臓が燃えるように熱くなる。

―――今さら?

自分の胸の苦しいほどの高鳴りに、逆に笑いがこみ上げてきた。
そのしぐさ、そのひと言に今も一喜一憂する自分。
こんな風に自分は何度彼女にときめき、そして恋をし直すんだろう。
こうやってこれから何度、彼女への想いを自覚させられるんだろう。
とっくにわかっていることなのに。
俺にそんな想いをさせるのは、

―――君しかいない。

「ありえないから。」
もう一度そう言った蓮の頬の上で、キョーコの指先がふわりと動く。
そのままむぎゅっと頬をつままれ、蓮は驚いて目を丸くした。

「私だってそうです。」
もう一度むぎゅうっ
「好きじゃなくなるなんて、ありえないのに。」

口を尖らせたキョーコについ破顔し、三度頬をつままれた。
けれどそれを素直に受け入れ、蓮はそうだねと嬉しそうに応える。
そうしてそのまま・・・ようやく訪れた二人だけの時間を1秒も無駄にしたくない様子で。

蓮はそっとキョーコの首もとに顔を埋めた。





Fin ・・・・限定おまけへ
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気分にまかせて書いていたら、結果的に単なるイチャラブ話になってしまいました(汗)
このあと限定がありますが、ひたすら桃なので悪しからずご了承くださいませっ(といいつつそもそもその桃話が書きたくてこれを書いたという… ^^;)
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コメント

  • 2016/01/20 (Wed)
    02:08
    日本中が寒さに凍えているというのに

    まったくもう、このふたりといったら (〃∇〃)


    コメントご無沙汰しておりましたー
    素敵なお話をたくさんありがとうございます

    どんなに言葉をもらっても、どんなに肌を重ねても
    会えない時間って不安にさせますよねぇ
    いやでも、そんな時間がないと、
    自分がどれだけ恋い焦がれてるか、
    必要としてるかわかんないものかもしれないですね
    蓮さん、キョーコさんには この言葉を贈りたいと思います

    「いいぞ もっとやれ」

    ねこ #wXRX4Xi. | URL | 編集
  • 2016/01/21 (Thu)
    02:32
    Re: 日本中が寒さに凍えているというのに

    コメントありがとうございます~。嬉しいです♪^^

    > いやでも、そんな時間がないと、
    > 自分がどれだけ恋い焦がれてるか、
    > 必要としてるかわかんないものかもしれないですね

    たしかにそうかもしれないですね!
    特にこの二人に関してはw

    > 「いいぞ もっとやれ」

    ぐふっ。お言葉に甘えて限定で「もっとやって」いただきました!
    私の書く限定ではまだまだ(敦賀さんにとってはとくに)物足りないかと思いますケドw

    ちなぞ #- | URL | 編集

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