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陽だまり ~ side K ~

※2016/4/26加筆修正

今日は珍しく2人揃ってのオフ。
といっても蓮さんは夕方から撮影が入っているから、一緒に過ごせる時間はそれほど長くないけれど。
でもこうして一緒にいられるだけで幸せ。


「こないだの撮影はどうだった?」
「今度の役はどんな役?」

ぽかぽかと暖かい日差しが射す窓際にラグを敷き、2人並んでコロンと転がり、他愛ないおしゃべりを楽しんでみる。

蓮さんとの会話はたいていがお互いの仕事のこと。
演技の相談をすることも多いけど、撮影中の失敗や監督に褒められてうれしかったこと、取材で知った美味しいお店の話に、共演した俳優さんのエピソード……思いつくとつい何でも話してしまう。
蓮さんは、どんな些細なことでもちゃんとじっくり話を聞いてくれるから。

いつもの調子でとりとめなく話し続けていたら、目を細めて聞いていた蓮さんが少しうとうとしているのに気付いた。

(やっぱり疲れてるのかしら。最近、忙しかったですものね。)

同じタイミングでオフをとろうと、すぐ無理する蓮さん。
その気持ちはすごく嬉しいけれど、ただでさえ寝る間もないほど忙しい人だから、ときどきとても心配になる。

(あまり時間はないけれど、せめて今だけでもゆっくり休んでくれたらいいな。)

子守唄代わりになるかしら?と声を落として話を続けていたら、口元にやさしい微笑みを浮かべたまま、やがて蓮さんは瞼を閉じ、小さく寝息を立てはじめた。

「寝ちゃった?」そっと顔をのぞき込み、起こさないよう小さくつぶやく。

返ってくるのはすうすうと穏やかな呼吸音。
こんな風に至近距離で蓮さんの寝顔を見られることなんてめったにないから、ついまじまじと観察してしまう。

羨ましいくらい長い睫毛、キメ細かく滑らかな肌、すっと通った鼻筋、シャープな顎のライン……この人は本当に何て綺麗なんだろう。
それに、端正な横顔にさらさらと零れる黒髪。
射し込んでくる陽光を受け輝くそれがあまりに美しくて、心臓がドキドキする。

気がつくと手を伸ばしてゆっくりゆっくりその髪を撫でていた。

―――どうしよう。

好きすぎてどうしたらいいかわからない。
こんな気持ちになれる日がくるなんて思ってもみなかった。

『恋愛なんてくだらないこと、もう2度としない!』そう豪語していた私をこんなにも変えてしまった人。
頑なになっていた心を、私自身さえ気づかぬうちにすっかり解きほぐしてくれた人。

(なんだか魔法使いみたい。)

尊敬の気持ちが恋心へと変わったことを自覚するまでだいぶ時間がかかったけれど、あなたはいつも優しく微笑んで待っていてくれた。


―――ずっと、私だけの魔法使いでいてくださいね。

胸もとにそっと顔をよせ、大好きな彼の匂いを、胸いっぱい吸い込んでみる。
こうして一緒にいられることがあまりに嬉しくて幸せで、思わず勢いに任せて目の前の唇にそっとキスしてしまった。

(たまには、私だって積極的になっちゃうんですから。)

するとその途端、眠っていたはずの蓮さんがぱっと目を開き、ぱちぱちと瞬きした。

「どうしたの?」

急に声をかけられてひゃあっと息をのんだけど、
(キスしたら目を覚ますなんて、なんだか白雪姫みたい。)
ふと思い浮かんだ白雪姫な敦賀さんの妄想に、自分でちょっと笑ってしまう。
敦賀さんのことをそんな風に思うのなんて、きっと私だけよね。

――――私、だけ。

思いついたそのひと言に、その瞬間なぜかこらえきれないほどの喜びが込み上げてきて、気がついたら笑みが零れていた。
そうしたら、今度は蓮さんがそれはそれは嬉しそうに蕩けんばかりの微笑みを浮かべて私を見つめて……今度は逆に全身がかっと熱くなってくる。
そんな自分がちょっと恥ずかしくて、つい顔を背け精一杯の虚勢を張ってしまった。

「すごく幸せだったから……おすそわけです。」

虚勢……?
ううん、そうじゃない。
だって本当に……すごく幸せだもの。


ねえ、蓮さん。

好きっていう感情がこんなにもいいものだって教えてくれてありがとう。
こんな私を見つけてくれてありがとう。
愛してくれてありがとう。



―――かけがえのないあなたが、大好きです。






Fin
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