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The crystal wedding (前編)

明けましておめでとうございます!
新しい年も、皆様にとって素晴らしい年でありますように!

さて、新年最初の更新は、成立後蓮キョのお話です。
唐沢寿明さん&山口智子さんのラブラブエピソードをみるたびに、つい蓮キョ変換していた妄想をようやく形にしてみました。



「今年も無事明けましたね。」
二人はLAの住まいからワシントンへと飛び、初詣に出かけていた。
ここは、アメリカ本土で唯一の神社。
さすがに新年とあって人は多いが、場所柄3日ともなると日本のような混雑ぶりはなく、こうして二人並んでいても気に留める人もいない。

パンパンッ

二礼二拍一礼。
参拝するキョーコの所作は相変わらず見惚れるほど美しい。
目立つからと着物ではないのが少し残念だが、シンプルなAラインのワンピースがほっそりとした身体のラインを引き立て、キョーコの清楚な魅力をより一層引き立てていた。
30代半ばを迎え、ますます美しさに磨きのかかった妻。
手を合わせたまま、隣からそっと横目で見つめ、口もとを綻ばせる。
と、お参りを終えたキョーコが応えるように顔を向け、にっこりと微笑んだ。
しばし見つめあったあと、蓮が差し出した右手に躊躇いなく手を伸ばし返し、ぎゅっと握りしめるキョーコ。
15年という夫婦の時の積み重ねがもたらしたその仕草に得も言われぬ喜びを感じ、蓮は思わず目を細めた。


「今年の抱負は何ですか?」
アメリカとはいえ神社という場所にいるせいだろうか。
そんないかにもお正月らしい言葉を何気なく口にしたキョーコに、蓮もさらりと答えた。
「んーーー、開示?」
「かいじ?」
それがいったい何を指すのかさっぱりわからず聞き返したけれど、蓮は応えようとしない。
悪戯を思いついた少年のようにあどけない笑顔で、ん?ととぼけてみせる。
(あ、似非紳士スマイル・・・。)
その表情の片隅に、もう15年以上前、ただの先輩と後輩だったころによく見たその面影を見つけた。
(ん?でもその顔って・・・)
同時に思い出したのは、それを向けられたあとにたいてい起きる困ったアレコレ。
(何かとんでもないこと考えてるのかしら。でもまさか、ね・・・。)
小さく頭を振り、キョーコは神社の清冽な空気を大きく吸った。


*


それから数日後。

LAの自宅で一人、キョーコは事務所から親展で送られてきたDVDを見ていた。
それは新春スペシャルのトーク番組。
今は1年のほとんどをアメリカで過ごす蓮が、久しぶりに出演した日本の番組だった。
なぜ私宛に親展?と思ったけれど、まあわざわざ届くからにはなにか意味があるのだろうと画面に集中する。

画面を通して蓮の姿を改めてみるのは、なんだか少し照れくさい。
“夫”だと思うとなおさらだ。
(いくつになっても本当にキレイな人だなあ・・・。)
なんてつい思いながら、昔のようにその姿を目で追ってしまう。

家では金髪碧眼の本来の姿でいる蓮だが、基本的に芸能活動は”敦賀蓮”として行っている。
すなわち画面の彼は艶やかな黒髪に漆黒の瞳。
キョーコが恋に落ちた、あの頃を彷彿とさせる姿なのだ。

若い頃の蓮はいくら大人びているとはいってもやはりどこかに甘さの抜けない、それでいて透明感のある美貌の持ち主だった。
それが年齢を重ねるにつれ、元来の端正ながら精悍な顔立ちに成熟した男性だけが持つ威厳のようなものが加わり、クールな逞しさを醸し出している。
スーツの下にちらりと見える筋肉質な胸板、黒髪をすっとかき上げるしぐさ、何か考えるときの少しうつむき加減な眼差し・・・。
すべてが見る者に強烈に“男”を意識させ、“男の色香”を匂わせる。
(か、かっこいい・・・。)
今さら見惚れてしまい、ついトークを聞くのがおろそかになった。
(やだ。私ったらっ。)
頬をぽっと赤らめ頭をこつんと自分でたたくと、キョーコは画面に集中した。

*

「ここ数年は活動の拠点を映画、それもハリウッド映画へ移され、かなり精力的に活動されていますね。」
「そうですね。ハリウッド進出はもともと俳優になったときからの夢でしたし。」
「今年もかなりお忙しそうですが、これだけ精力的に活動される、その原動力はいったいどこからくるのでしょうか。」
「妻の笑顔と温もり、でしょうか。」
真面目な顔でさらっと言ってのける。
「おっと、これはごちそうさまです。」

(も、もうっ、クオンさんったら、いきなりなにを言ってるの!)
恥ずかしくて見ていられない。・・・と思いつつ、続きが気になって仕方ない。

「それにしても珍しい。敦賀さんはこれまでプライベートをほとんどお話にならなかったかと思いますが」
「そうですね。あまり機会がなくて」
如才なく笑うその口は、今日に限って存外緩い。
それを見てとった司会者が調子よく話を進めていく。
「奥様は、昨年ついにハリウッドに進出された京子さんでしたね。世紀の結婚と話題になってからたしか・・・」
「15年になります。」
「ほう、もうそんなに。今や芸能界きってのおしどり夫婦としても有名ですが、夫婦円満の秘訣は?」
「秘訣・・・?」
その質問に蓮は少し小首を傾げる。
「毎晩彼女を抱きしめて眠ること?」

(ク、ク、ク、ク、クオンさんっ!!!!!!!)
蓮の言葉に、思わずのけぞりそうになる。

「は?いやはや、これはまたなんというか・・・」
参ったと手を上げる司会者に気づいていないのか、蓮はまだ考えている。
「それとも毎朝のキス?愛してるってちゃんと伝えること?いや、それは当たり前のことだし・・・。」
独り言のように言っているが、マイクはしっかり音声を拾っている。
「これはあてられますなあ!」
思わずつっこむ司会者に、蓮はキョトンとした表情を見せた。
「でもぜんぶ普通、ですよね?」

(ひ、ひ、ひえええええええ!!!)
キョーコは今度こそ本当にのけぞった。
(たしかに嘘じゃない、嘘じゃないけど。でも、でも・・・)
開いた口がふさがらない。
(そりゃクーとジュリエナをみていれば、そんなの普通って思うかもしれない。しれないけれど、でも・・・。)
赤くなっていた顔色が、今度は青く変化する。
それでも画面からは目を離せず、今やもうかぶりつき状態になっていた。
番組はまだまだ終わらない。

「互いにこういう仕事をしていると、どうしても一緒にいる時間が少ないので、いられるときはずっと彼女にふれていたいんです。」
「昼も?」
「ええ。」
「夜も?」
さすがにそれには答えずふふっと笑った蓮だったが、アップになった瞳の妖しい煌きに会場からはぁーっと大きくため息が漏れた。
「とはいえ何をするときも俺が彼女について離れないものだから、邪魔って言われて萎れることも多いんですけどね。
俺はいつだって彼女のそばにいたいのに。」
両手を挙げて本気で困った顔をしてみせる蓮に、司会者も思わず苦笑した。

(な、な、な、な、な、なんなのーーーー!)
勢い余ってソファから滑りおちたキョーコは、齢35歳にして顔を真っ赤にしながらリビングの床をごろごろ転がりまくった。
(もぅーーーーーっ!!!)
恥ずかしくて照れくさくて、でも嬉しい気持ちもたしかにあって。
いろんな気持ちがごちゃまぜになりすぎて、見悶えがとまらない。
・・・と、その頭に浮かんだのはお正月の蓮の言葉。
『かいじ、かな。』
その“かいじ”が、“開示”という文字に今結びついた。
(あああああああーーーーー!!!)

トークはまだ続いている。
「敦賀さんが萎れる姿、正直一度見てみたいものです。しかし、これはなんというか・・・本当にラブラブだなあ。」
つける薬もない、といった顔つきで大きく息をつく司会者。
一方蓮は、至極真面目な顔つきで話を続けた。

「彼女は・・・俺をまるごと認めてくれた唯一の女性で、注いでも注ぎ足りない思いで愛情を授けてくれる、大切な人なんです。
その一番大事な人から自分を認められるというのは、何よりも自信になります。
彼女がそばにいて、敦賀蓮という俳優を、そしてクオン・ヒズリという実体を認めてくれる限り、ああ、俺はちゃんとここにいる、俺の足はちゃんと地についていると実感し、前に進むことができる。
ラブラブというよりも・・・そうですね。彼女なしの人生なんてありえない、そういうことなんです。」


キョーコの身体がぴたりと動きを止める。
(もうっ、クオンさん・・・・ったら・・・。)
じっと画面を見つめる瞳から、いつの間にか涙がぽろぽろと零れ出ていた。




(続く)
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