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寝息と寝顔とぬくもりと

明け方、はっと目覚めた。

ドクドクドクドク

激しい動悸。
額を伝う汗。

ひどく疲れたまま1人眠る夜は、今でも時折昔の悪夢に襲われることがある。

苦しくて、起きて水でも一杯飲もうかと手を伸ばして気付いた。

隣に誰かいる?

(・・・え?)

見ると広いベッドの片隅で、キョーコがすやすやと心地よさそうに眠っていた。
どうやら昨夜俺が眠りについたあと、家に来てくれたらしい。

それなら起こしてくれればいいのに。
きっと最近忙しかった俺を気づかってくれたのだろう。
それでもゲストルームに行くのでなく、こうして隣に潜り込んできてくれるのが何よりも嬉しい。

軽く身を起こし、そのまま彼女の寝顔をじっと見つめていた。
こうやって、彼女の寝顔を見ているだけで不思議と心が安らいでくる。

「うーん・・・」

気配を感じたのか、彼女がうっすら目を開けた。

「どうしたんですか?蓮さん。怖い夢でもみましたか。」

寝ぼけ眼のまま、こちらを見上げ、くしゃっと笑うキョーコ。
その温かな微笑みも、もうすっかり見慣れているはずなのに、やっぱり俺は見惚れてしまう。

「よしよし、怖い夢はわたしがぜーんぶ食べてあげますから。安心して眠って下さいね。」

そういってベッドの中から手を伸ばすと、彼女は俺の寝乱れた頭をぽすぽすと叩いた。
それから軽くくしゃりと頭をかき混ぜる。
・・・と思ったら、またこてんと眠ってしまった。

(寝ぼけてる・・・んだよな?)

あっという間にすうすうと立つ寝息。
かすかに響くそれが、ひどく耳にやさしい。


こんな些細な事にさえ、泣きたくなるほど幸せな気持ちになるのはなぜだろう。


彼女をそっと抱き寄せ、俺は満ち足りた気持ちでもう一度眠りについた。


―――もう、悪夢は見ない。




fin

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