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痣 ~キョコ誕~

昨日の続きをUPする予定だったのですが、データ置き忘れで続きを書けず・・・。
急遽、会社でこっそり書いた(←おいおい)キョコ誕短編UPです。



二人がつきあいはじめて最初のクリスマスイブ。
蓮はもちろん、今やすっかり人気女優に成長したキョーコも忙しさに変わりはないが、この日ばかりはともにオフをもぎとっていた。
とはいうものの付き合っていることはまだ秘密だし、となれば日にちが日にちだけに2人で外食というわけにもいかない。
結局会ったのはいつもどおり蓮の部屋。
キョーコがここぞとばかりに腕を揮った料理を味わい、今はゆっくりお茶を飲みながら2人きりのイブの夜を過ごしていた。
まあ、誰にも邪魔されないそんなひとときこそ、どちらにとっても何よりの幸せだったのだけれど。

*

「それ、どうしたの?」

聞かれてキョトンとキョーコが首をかしげる。
隣に座っていた蓮が少し心配そうな顔つきで、テーブルに何気なく置かれていた彼女の左手を指さした。
「ほら、ここ。」
薬指の根元に、うっすらと広がる赤痣。
え?という顔をして、キョーコも自分の左手を見直す。

「あーーーー!こんなところにまで!この間ちょっと作業をしていたとき、机の端に手を思い切りぶつけちゃったんです。」
なんでもないことのようにそう言って手をひらひらさせるキョーコに、蓮はちょっと眉をしかめた。
「痛い?」
「ううん。痛くはないんですけど。目立ちます?」
こんなところに痣を作るなんてまずかったかな、とでも言いたげな困り顔。
上目遣いに自分を見るその顔に思わず緩む口もとを必死に引き締めながら、蓮はキョーコの頭を優しくなでた。

「目立つっていうほどじゃないけど。」
言いながらそっと彼女の左手を取り上げて。
慈しむように軽く指先で触れたかと思うと、そのままその手を顔に寄せ小さくチュッとキスをする。

「はうっ!」
たったそれだけで瞬く間に茹蛸のように赤くなるキョーコを覗き込み、蓮はやさしく微笑んだ。
「早く治りますように。」
極上の笑みで見つめられ、ピキンと身体を固くしたキョーコの頬がますます赤くなっていく。
その様子を蓮はそれはそれは愛おしげに見つめていたけれど、突然あっと何かを思いついたように瞳を輝かせた。
そして再びキョーコの指を顔に寄せ・・・・今度はきゅぅーっと思い切り吸い付いた。

「ぴゃーーーーっ!い、いったい何をするんですか!?」

予想外の珍妙な叫び声に思わずクスクス笑いつつ、立ち上がりかけたキョーコの背中にしっかり腕を回し、動けないよう抱き寄せる。
手を引き、逃れようとキョーコが必死にもがくけれど、所詮は非力な女の力。
体格も筋力もキョーコの遥か上をいく蓮にかなうわけもない。
そのままがっつりホールドされ、蓮のいいようにされてしまった。

「・・・っと、もう大丈夫かな。」
「つ、つ、つ」
びっくりしすぎて言葉も出ない。
「よし、ちゃんとついた。」
独り言のような小さい声に、まさかと見れば薬指の第二関節の下に案外くっきりとついた真ん丸の赤痣。
「こ、こ、こ、これーーーー!!!!!」
「んっと・・・上書き?」
無邪気な顔でしれっと言ってのける。

う、上書きって何ですか。
そもそも、痣をいっそう濃くしてどうするんですか!!!!

叫びたいけれど言葉にならず、キョーコは蓮の腕の中で魚のように口をパクパクさせた。
「別名マーキング、かな?」
あたふたするキョーコをとぼけた顔で見下ろしてくる。

「はああああああ????マーキング?????」
「そう。ここは予約済みってことで。」
ぽかんと口をあけるキョーコに、蓮は零れるほど甘い満面の笑みを向け、確かにそう言った。

「よ、よ、よ、よ、よや、よや」
「困る?」
キョーコの激しい動揺なんて我関せず。
少年のようなまっすぐな瞳をして、小首を傾げながら聞き返す。
そのキュートな悩殺力に思わずううんと首を横に振りそうになったキョーコだけれど、危うく自分を押しとどめ違う違うと口を開いた。

「こ、困ります。こんなところにこんなにはっきりとした痣。いくら指だからって一応女優のハシクレですし・・・」
「痣?困るのは痣だけ?」
「え!?」
うっかり発した自分の失言にキョーコはあっと思ったものの、
「じゃあ予約はOKってことだね。」
にっこり笑う確信犯の眼差しに、返す言葉を失った。

端正な美貌に浮かべられた策略的な微笑みは妙に蠱惑的で眩しすぎる。
眩しすぎて・・・
(予約って・・・どういう意味ですか?)
浮かんだ疑問を飲み込んでしまった。


"いつか、もしかしたら・・・"
そんなことを夢見たことがないといえばウソになる。
けれど、相手は抱かれたい男人気NO.1の連続記録を誇る超人気俳優。
恋人という今の立場さえ夢か幻かと毎夜毎夜頬をつねるほどなのに、まさかそんな未来。
(自意識過剰すぎるじゃないっ!)
そう思い必死に自分を戒めるけれど、だからといってそうなればいつか必ず来る別れを思うと怖すぎて考えがフリーズする。
結局今も言葉を濁して目線をそらすしかなかった。


「そっか・・・・。わかった。じゃあ・・・なんとかするよ。」
キョーコの逡巡をどう受け止めたのか、蓮はあっさり答え身を引いた。
その代わり大きい身体を小さく丸めて、悲しそうにシュンとしてみせる。
子犬のようにいじらしく見えるその姿にキョーコが弱いことを知っているのかいないのか。
(この人はもうっ、ほんとに!私をどこまでキュンキュンさせれば気が済むんですか!)
キョーコは心の内でひとりごちた。

とはいえ、それとこれとは別。
「なんとか?なんとかできるんですか?」
キョーコはさっそく蓮の言葉尻に飛びついた。
もっともそちらに気を向けて、頭に浮かんでしまった小さな恐怖を忘れたい気持ちもあったのかもしれないけれど。

「ちょうど今日はいいモノをもっていて、うまく隠せる方法なら・・・知ってるけど?」
蓮にしてはずいぶん曖昧な言い方をする。
「ほんとですか!ぜひ教えてください!(覚えておくと何かに役に立つかも)」
「方法を教えるっていうか、指につける感じなんだけど。」
「クリームとかコンシーラーとか?」
「似て非なるもの、かな?」
「(ん?特殊メイク的なもの?ま、いっか) キレイに隠せるならぜひお願いします。」
「ほんとにいい?後悔しない?」

(どうしてわざわざされた念押しするのかしら?)
浮かんだ疑問を大きくする間もなく、蓮が言葉を続けた。

「じゃあ、ちょっと手を貸してくれる?」
「あの・・・薬とかなら自分で塗れますけど?」
訝るキョーコの言葉には答えず、蓮はキョーコの手を取った。
自分の手元にその手を寄せてそのまま頭をぐっと迫り出すから、キョーコからは何をしているのかよく見えない。
・・・と思う間もなく指にあたる冷たい感触。

(え――…?)

解放された左手には、つけられた痣を丸ごと隠す大きな大きなダイヤモンドが燦然と輝いていた。


―――ちょうどそのとき、時計の針が0時を指した。
つけっぱなしになっていたテレビの音声が、日が変わったことを告げる。


「誕生日おめでとう。そして・・・」
呆然と言葉を失ったままのキョーコを両腕でギュッと抱きしめ、蓮は小さな耳元にやさしく囁いた。
「・・・どうか俺と結婚してください。」





Fin


Happy Birthday Kyoko!!
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コメント

  • 2015/12/28 (Mon)
    09:06
    うっとりん♪

    読み落としてしまってて、今日、読みました!!
    痣を隠すためという口実で指輪を贈る蓮様にうっとりです♪
    本当に本当に素敵すぎます!!

    読んでて1人うきゃーーーー!!となりました♪
    これからも楽しみにしてます☆

    風月 #- | URL | 編集
  • 2015/12/28 (Mon)
    15:42
    Re: うっとりん♪

    うわあ、嬉しいコメントありがとうございます♪
    うきゃーってしてもらえてよかったー!

    ちなみに敦賀さん。
    指輪はしっかり隠し持っていたけれどただ渡して固辞されたら
    どうしようという懸念からこんな作戦に出た模様。
    ・・・なんて、追加妄想しとります。
    こちらこそ来年も風月worldを堪能できるのを楽しみにお待ちしておりますねー♪

    ちなぞ #- | URL | 編集
  • 2015/12/28 (Mon)
    20:22
    蓮さんの作戦大成功!

    空(?)の指の予約時間はほんの数分?でしたが、それさえも、蓮さんにとっては大事な時間だったのかもですね。

    (作戦関係なしに、少しでも早くキョコさんを自分のものにしてしておきたい蓮さん?)

    既に指に装着させたあとでの、プロポーズが彼の心境を物語っていて楽しゅうございました。

    クリスマスも終わり、今年も残すところあと僅かなりましたね。
    本年もお世話になりました。

    来年もどうぞよろしくお願いいたします。

    まじーん #NkOZRVVI | URL | 編集
  • 2015/12/28 (Mon)
    22:50
    Re: 蓮さんの作戦大成功!

    たくさんコメントいただけて嬉しいです^^

    予約だけじゃ納得いかない(我慢できない?)敦賀さんの力技、ご堪能いただけましたでしょうかw
    なお、指輪の準備はしっかりしていたものの、どうやって逃げられることなくキョコさんの指にはめるかが当日の敦賀さんの大きな課題だった模様です。
    無事成功してよかったよかったw(←え?

    こちらこそ更新頻度を上げるよう鋭意努力してまいりますので、来年もまたどうぞよろしくお願いいたします!

    ちなぞ #- | URL | 編集
  • 2015/12/31 (Thu)
    20:33
    この度は、お忙しい中、嬉しいメッセージを有難うございました!

    こんばんは。
    いつのまにやら大晦日を迎え、ビックリな魔人でございます。


    1年があっと言う間なら、ブログ開始してからの4年間も体感的には1年位の感覚で過ぎ去ったのですが、二次マスター様との出会いに関してはサラッと過ぎ去る年月に反し、濃厚なモノだった様に思えます。

    自分も含め、ブログ(サイト)マスターは、皆活発に活動したり、しばらく放置したりの繰り返しだとは思いますが、それでも4年もの間お付き合いを続けてくださる方や、新たなに出会い、交流していただける方がいることを有り難いなと思っています。

    アメバから外部に引っ越される方は多いですが、引っ越し後は活動されていない方も多く寂しく思っていました。

    ちなぞさんの読みやすい上に、情緒溢れる文章表現はいつも素晴らしく、ずっと作品を読める環境を維持してくださっていることに大感謝です。

    >さて、当サイトの返信欄にも書かせていただきましたが、

    先程お伺いして、きゃーーー!となりました。


    お邪魔とか粗品なんてとんでもない!
    大歓迎のお宝を飾らしていただけ、非常に嬉しいです。

    好きなものっっっっw

    (∩*´ω`*∩)

    両方でもいいかしらん!!

    1つに絞たんかーーいとお叱りを受けたら渋々(←)1つにさせていただきますので、コソコソ(←)今から2つ並べる準備に入らせていただこうと思います。


    お叱り待ちで!(笑)

    ちなぞさんのメッセと同じ内容のコメントの方が見当たらなくなりましたので、多分ここだったという薄い記憶のもと、こちらに返信させていただきますね。

    この度は有難うございました。

    本年最後のビッグプレゼントを抱いて、2015年を幸せに終えられそうです。

    来る年が、幸多き一年でありますようお祈りいたしております。

    まじーん #NkOZRVVI | URL | 編集
  • 2015/12/31 (Thu)
    21:29
    Re: この度は、お忙しい中、嬉しいメッセージを有難うございました!

    こんばんは
    コメントありがとうございます。

    ほんとあっという間に大晦日ですね。
    私はただいま義実家で紅白みております。
    (そんなわけでお返事簡単でごめんなさい。)

    両方(笑
    拙作で恥ずかしいですがお邪魔でなかったらぜひ^^

    (ちなみに同じ内容のコメント返信は社さんネタのとこにございます。わかりにくい場所でごめんなさい)

    それでは良いお年を‼︎

    > ちなぞさんのメッセと同じ内容のコメントの方が見当たらなくなりましたので、多分ここだったという薄い記憶のもと、こちらに返信させていただきますね。
    >
    > この度は有難うございました。
    >
    > 本年最後のビッグプレゼントを抱いて、2015年を幸せに終えられそうです。
    >
    > 来る年が、幸多き一年でありますようお祈りいたしております。

    ちなぞ #- | URL | 編集

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