偶然の一致

相変わらず無自覚無防備で馬の骨をそこら中に量産し続ける君。
ようやく想いが通じたというのに、俺は相変わらず振り回されてばかりだ。
こうやって腕の中に捉えていても、すぐにどこかへ飛んでいってしまいそうで心配でならない。

「君は本当に無邪気で真っ直ぐだから、どこでなにをしでかすかわからなくて心配だよ。
だから、いつも俺がしっかり守らなくちゃって思っているんだ。」

嫉妬で焼き尽くされそうだともいえないし、“見張ってなくちゃ”なんて言ってお姫様の機嫌を損ねたくもない。だから、そんな風に言ってみた。

守りたいっていうのは、本当のことだからね。


するとそんな俺に対抗するように、君はいたずらっ子みたいな顔つきでふふんと笑ってみせた。


「偶然ですね。私もあなたをずっと守りたいと思ってました。
だって蓮さん、わたしがいないと食事もまともにできないんですから」

たしかに君がいないと、俺はろくな食事をしないけど。
だけどなんだか、ちょっと・・・いやだいぶ複雑な気分だ。

だって、俺は君を守る“特別な王子様”でいたいのに。


それから少し真面目な顔をして、君はじっと俺を見た。



「だから・・・。だから、ずっと・・・あなたの“お守り”でいさせてくださいね。」


!!! 


潤んだ瞳が俺の心に突き刺さる。

ああ、この天然小悪魔め!


はにかんで上向いた笑顔があまりに可愛くて、愛しくて。
俺は君を力一杯抱きしめ、それからそっとキスをした。


そっと、そっとキスをした。





fin

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