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おめでといんたびゅー (1)

ずいぶん以前、「ナインティナインの矢部さんに二世誕生」のニュースをみていたときにふと浮かんだお話です。
未来設定&おちゃらけ話なのでお気を付け下さいませ!
緒事情により、私にしては超小出し連載です。


―――早朝。
とある病院の地下駐車場。

普段は静まり返ったその場所に今、多数の報道陣が詰めかけていた。
ざわざわと収まらない喧騒が硬質の壁に幾重にも反響し、そして吸い込まれるように消えていく。
いったいここで何があったのか。
この場所、ましてこの時間には到底ふさわしくないざわめきがこれでもかと溢れていた。

チンッ

そのとき、周囲を一喝するように、エレベータの到着音が鋭く響いた。
ゆっくりと開くドアに向かい、リポーターの群れが我先にと詰めかけていく。

「今までこちらにいらしたんですか?」
「昨夜から今朝までのことについて、ぜひお話を伺いたいんですが。」
「今日もこれから撮影の続きがあるそうですが、大丈夫なんですか?」

矢継ぎ早に投げかけられる質問を受け流し、現れたのは一人の男。
駐車場に足を踏み入れるや、夥しいフラッシュが次から次へと絶え間なく焚かれはじめる。

「・・・参ったな。」

全身を見せた男の口から零れ出た言葉。
けれどそこには、おどけるような小さな笑いが含まれていて、察した報道陣の間にほぅっと小さく安堵の空気が流れる。
と同時に、フラッシュの嵐がますます加速した。
重なる点滅、乱舞する光の刺激。
男はいかにも眩しそうに目を細めると、ようやくその場に足を止めた。


普段の姿からは想像もつかないほどくたびれたワイシャツ。
これでもかと皺の寄ったスラックス。
くしゃりと乱れた髪をかき上げるたび、露わになる疲れの残ったひどい顔色。
それでも男は、カメラが向いた瞬間に、世の女性ファンがひと目見ただけで悲鳴をあげるほど魅力的で如才ない笑顔をさっと浮かべてみせた。

「やあ、みなさん。朝早くからおつかれさま。」
言いながら襟元を正せば、やはりそこはトップクラスの人気俳優。
崩れた姿すら、まるでわざとそうしているかのように、格好良く見えてくる。


「昨夜は大変でしたね。」
「撮影を中断してこちらに飛んできたと伺いましたが、それほど深刻な状態だったということでしょうか。」
「京子さんのご様子は?」
「赤ちゃんは?」

矢継ぎ早の質問に、男は思わずといった調子でひと言答えた。
「とにかく母子ともに健康でほっとしたよ。」

とたんに場の空気が加熱し、突っ込んだ質問がさらに浴びせられる。
だが、男はそれらを曖昧な微笑で受け流し、再びぼさぼさと無造作に髪をかきまぜた。

「参ったなあ。おっしゃるとおり撮影があるから、俺、今から帰ってとりあえずシャワー浴びるところなんだけど・・・。」

それから男―――貴島秀人は、落ちた前髪を片手でざっとかきあげ、上目遣いににやりと笑って言った。

「まあでも、みんな話を聞きたいよね?」



(続く)
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コメント

  • 2014/09/30 (Tue)
    22:17
    はあぁぁ~!?

    何事ですか? って、貴島?

    へなへなっちです #- | URL | 編集
  • 2014/10/01 (Wed)
    07:35
    Re: はあぁぁ~!?

    こんにちはー!おひさしぶりです^^
    何事か!といっていただくためだけの短文更新だったりして(*^。^*)

    貴島さん、キョコちゃんにがっつり手を出してこなければ(←w)あの能天気ぶりが私は意外と好きだったりしますー。

    ちなぞ #- | URL | 編集

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