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社さんの受難日?

俺は今、追い詰められている。


久しぶりにキョーコちゃんの美味しいお弁当をいただける幸せなランチタイム・・・だったはずなのに、ぜんぜん箸が進まない。

食べてもせっかくの料理の味がまったくしない。

いや、むしろ生きた心地がしない。

なぜならさっきから、ふとした拍子にキョーコちゃんが会話を止め、意味ありげな視線で俺をじっとみつめてくるからだ。

そのたびに俺の隣に座る“抱かれたい男不動のNO.1”、春の陽だまりと形容されるほど温厚(なはずの)我が担当俳優が放つ冷気(殺気?)が、どんどんパワーを増していく。


ブリザードバリアで並みいるファンも一発で退ける、なんて言われる俺だけど・・・この冷気を感じてみると断言できる。

俺のブリザードなんてこれに比べたらぽっかぽっかの春風みたいなもんだぁ~~~!!!


それにしてもいったい何が起きてるというんだ?

人気俳優のマネージャーとして交渉事なら百戦錬磨の俺だけど、キョーコちゃんの考えてることはさっぱりわからないよ~(涙)。


「社さん」

ひぃいいいいいいい、きたっ。俺に圧力きたっ。

「な、なんだい。蓮」

その笑顔が怖いよ、蓮。

「おいしいですか?」

「は、は、はい。とってもおいしいデス。えっと・・・」


れぇ~ん、そんなに気になるなら直接聞けばいいじゃないか。

・・・って聞けるわけないよな。

口を開いたらきっとすごい迫力で問い詰めちゃうだろ、お前。そしたら、キョーコちゃん、飛び上がって逃げちゃうだろうし。

それはお前の本意じゃないもんな。

お前の機嫌にあれほど敏感なキョーコちゃんがこの空気に気付いてないのは、たぶんお前ががんばってその冷気を俺だけに発してるからだろ?

その変わり身の早さ、さすが業界NO.1俳優だけのことはあるよ。


「あ、あのさあキョーコちゃん、俺の顔になんかついてるかな?さっきからかなり見られてるような気がするんだけど」

蓮からの『さっさと聞いて下さい』攻撃に耐えかね、俺はようやく切りだした。


いや、聞かないつもりだったわけじゃないんだ。

ただ、どんな答えがくるかわからなかったから怖かっただけなんだ。

なにせ相手はキョーコちゃんだからな。

予期せぬ爆弾を落としかねない。


「え?」箸を休め、可愛く小首をかしげるキョーコちゃん。


ちょっと考えたかと思えば予想通り(嬉しくない)とんでもないことを言い出した!

「社さんって・・・ホントにマネージャーさんしてるのがもったいたいくらい綺麗な顔立ちをしていらっしゃいますよね」


な、なにを突然!

いや、うれしいよ。ほめてもらえるのはすごくうれしい。

でもこの男の前でほかの男をほめちゃだめだ。それがたとえ無害なお兄ちゃんの俺でもだめだ!


グサリ

蓮が手にしていた箸を卵焼きに突き刺した。

ひぃっ。

同時に、冷たい視線が俺に突き刺さる。

(あ、ほら今、軽く死んだよ、俺。)


「なに言ってるんだよ~、キョーコちゃん。きれいってのは、ほら、蓮みたいなのを・・・」


あわてて口を挟む俺。ああ、我ながら声が震えてるな。

・・・が、必死な俺のことなど意にも介さず、キョーコちゃんはさらに続ける。


「わたし・・・実は社さんのことが、好き……コホッ」


ガタッ!

すさまじい音を立てて立ち上がる男。

ぽかんと口をあける俺。

地獄行きを宣告された、ような気がした。


(やばい、俺、殺される。間違いなくこのあと殺される。

・・・ってか、ななななに言っちゃってんのよ、キョーコちゃぁ~ん!)


「も、最上さん!」

蓮の悲痛な叫びをかき消すようにキョーコちゃんが大きく咳込んだ。


「やだ。喉になにかひっかかっちゃったみたい。ごめんなさい」


気付いてないのか?男二人を凍らせてることに気付いてないのか?

いや、それより続きは?続きはどーなるの?

君は何を言い出すつもりなの?
もしかして俺、遺書書いたほうがいい?

あと、このタイミングで俺に微笑みかけないで。
お願いだよー。


「実はね・・・社さんのこと本気で好きだって、とあるスタッフさんに相談されちゃったんですよ。
誰かって言うのは秘密ですケド。
わたし、社さんとすごく仲いいって思われてるみたいで、“社さんってつきあってる人いるのかしら。キョーコちゃん、知ってる?”なんて聞かれちゃって。
でも、社さん、失礼だけどちょっと鈍感そうだし、そんな風に想ってる人がいるってお伝えしたほうがもしかしたらいい方向に親展するかも、なんて思って。」

えへと笑うキョーコちゃん。


ふぅーーーーーーっ。

大きく息を吐きながら、俺は思わずうつ伏せた。

・・・ああ、命拾いした。

いや、というか正直、俺。
キョーコちゃんだけには鈍感とか言われたくなかったよ。


「あれ?どうしたんですか?お二人そろってうつぶせて。お弁当になにか変なものでも入ってました?」

キョトンと首をかしげるキョーコちゃんに蓮がふわりと微笑んだ。
その笑顔にすこーし不穏な空気を感じたような気がするのは・・・俺の気のせい?


「ふうん。・・・で、最上さんは・・・どう思ってるの?」キュラン

「は?」

「今、最上さんも社さんのことキレイな人だって褒めてたよね」キュラリン

「はあ」

「ってことは最上さんも、社さんのこと好きなの?」キュラキュラリン

「へ?」


突然エンジン全開になった蓮に、わけわからないといった表情のまま、箸を片手にずずずと後ずさるキョーコちゃん。

それを蓮が妖しい笑顔とともに上半身だけで追い詰めていく。


「ど、ど、どーしたんですか。敦賀さん。急に。」

(ヒィー!神々笑顔が出たかと思ったら急に似非+帝王モード突入?な、な、なんで~???)

「え、えっと、まだお弁当残ってますよ。ちゃんと食べてくれないと・・・」


「お弁当も大事だけど、まず聞きたいな。最上さんは?最上さんは俺と社さんだったら、どっちが好き?」


れ、れれれぇーん、お前何言い出してるんだ。

しかもそんなに顔寄せて詰め寄って。
キョーコちゃん、すっかりくっきり固まっちゃってるじゃないか。


そんなことしちゃだめだ!
お兄ちゃんが、許さな・・・・ごめん。キョーコちゃん。

悪いけど、残りのお弁当食べきるまでちょっと蓮の相手しててもらえるかな。

ようやく生き返った気分なんだ。

ほんと、ごめんね。


あとできれば・・・


できればいっそ、このまま蓮に捕まっちゃってもらえると・・・ありがたいんだけど。



無理かな?





fin

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